顧客需要データを基に原材料と開発メーカーを握手させる事業「イノベーションラボ」、ローソンで開始・第一弾はウォーキング時にマッチしたガムとタブレット
2014/04/03 12:45


↑ イノベーションラボ商品第一弾となる「ロッテ ウォーキングプラスガム 8粒」「ロッテ ウォーキングプラスタブレット 50粒」
「イノベーションラボ」第一弾商品として展開されるのは、ロッテとの共同開発による、運動前や運動中に手軽に食べられるガム、タブレット。味の素が開発した、辛くないトウガラシの成分「カプシエイト」を配合しており(辛さはトウガラシの辛味成分カプサイシンと比べて1/1000程度)、体内の「燃焼力」をサポートする効力が期待できる(カプシエイトそのものの効用については、味の素が2009年に研究成果を発表している。【新種の辛くないトウガラシの新規成分「カプシエイト」の研究成果】)。つまり今商品は「開発元:ロッテ」「素材提供元:味の素」「連系提案元:ローソン」という形になる。
そもそも「イノベーション」とは新しい結合、切り口、基軸、とらえ方など、既存のものや考え方とは異なる方向性を有する手法で、新たな価値観を創生する方法を意味する。ローソンの「イノベーションラボ」ではこの定義に従い、同社の取引先である70社ほどのメーカーや素材・原材料の提供元が持つ技術や情報、ノウハウを集約してデータベース化。その上でローソンが持つPonta会員データを活用し、顧客の需要にあった商品の開発に最適な環境の組合せを考察した上で提案を行い、複数のメーカーでプロジェクトチームを形成。各社のノウハウを活かした商品開発を行う。この仕組みによって、国内外の高品質、希少性の高い原材料の調達と、高い製造技術力を組み合わせ、付加価値の点で優れた商品開発を実現することとなる。

↑ イノベーションラボによる商品開発の構図
ローソンの説明によれば、これまでにも多数の商品開発において、メーカーとの共同開発を実施してきたが、その過程で「活用されない技術や情報」が数多く存在することを認識。その情報にローソンの販売データという裏付けを持たせることで、より連係が取れやすい形とし、共同開発に腰を上げやすい環境づくりと提案を行う仕組みを構築したとのこと。
説明を読み解く限り、ローソン店舗内の購買データから導き出される消費者の需要を基に、その需要にマッチする商品を想定し、その想定商品に最も適切な原材料と製作サイドをローソンの取引先データから導き出し、個々の企業に需要予想データと共に提案をし、プロジェクトを立ち上げて商品化を実現。そして今件第一弾商品の事例を見る限り、ローソン自身には取引先への(高いセールスが期待できる)商品開発のアイディアを提供したことによる関係強化に加え、話題の商品の先行発売の特権を得るメリットが得られることになる。
今件プロジェクトが成功を収めるためには、ひとえに「イノベーションラボ」自身のデータ精査能力や、そのデータを基にした組合せを導く発想力の高さが必要不可欠となる。第一弾商品のセールス動向と共に、今後どのような商品開発が成されていくのか、注目したいところだ。
■関連記事:
【辛くないトウガラシ成分「カプシエイト」入りビスケット「カプケット」発売】
【味の素(2802)、辛くないトウガラシ成分「カプシエイト」でサプリメント発売】
スポンサードリンク