すき家、鍋定食などによる人手不足を公認、環境改善のため6月をめどに7地域分社化を決定
2014/04/17 12:25


↑ 売上アップには大いに貢献したものの従業員の負担が大幅増加し、就業上の問題にもつながることとなった「鍋定食」(写真は牛すき鍋定食)
【一時お休み!? すき家の牛すき鍋定食など4月1日で「一時終売」】で一部触れているが、すき家ではこれまでの労働環境の状況が必ずしもかんばしくなかったことに加え、昨今の労働市場の変化でスタッフの確保が難しくなり、さらに調理工程で通常メニューよりも手間がかかる新メニュー「牛すき鍋定食」「とろーりチーズカレー鍋定食」「野菜たっぷり牛ちり鍋定食」からなる鍋定食シリーズを導入したことにより、従業員の負担が増加し、労働環境が悪化する条件が揃うこととなった。
これにタイミングを同じくして各地では、時間帯休業や一時休業措置が取られるすき家が目撃され、従業員の負担軽減のための厨房能力の強化などを図るため、以前から計画され実施に移されていた「パワーアップ工事」と合わせ、多種多様な「一部の誇張された流言や報道」(リリース表記ママ)がなされることとなった。この状況についてゼンショー側では
- 「パワーアップ工事」は従業員負担軽減のための厨房能力強化と客席の快適化のもの。167店舗で実施中。4月末から順次開店
- 2月から4月にかけて厨房機器の不具合や雇用市場の状況変化による人手不足で従業員の確保が難しくなり、「最大123店舗で」一時休業や時間帯休業を実施
- 経済合理性の上で「124店舗で」深夜・早朝営業を休止中
- 仕込みにこれまでの以上の手間を要する「鍋定食」の導入で従業員の負担増が深刻化
- 雇用市場の変化による新規採用の困難さも従業員の負担増に
その上で状況改善のために「7地域に区分した地域運営会社への体制移行」「労働環境改善に関する提言を行う第三者委員会の設置」の2施策の実施を決定するとした。具体的には「7地域に区分した地域運営会社への体制移行」では、2014年6月1日をめどにすき家の運営に関して全国7つの地域運営会社を設立し、それぞれが約300店舗のすき家の運営を行う体制に移行。これにより、地元出身の幹部が地域に密着した経営を行い、従業員の声をスピーディーに反映する「風通しの良い」環境を創り上げると説明している。
また「労働環境改善に関する提言を行う第三者委員会の設置」については、コーポレートガバナンスに詳しい久保利英明弁護士(日比谷パーク法律事務所代表、「久保利方式」と呼ばれる総会屋対策でも有名)を委員長とする、外部有識者による第三者委員会を設置し、店舗や本部などへの調査をもとに、労働環境改善に関する会社への提言を行う仕組みを構築する。委員の選任は久保利委員長に一任され、4月中にも決定する。
今件は第一報であり、今後の地域運営会社による運営体制の具体的内容、第三者委員会の提言内容の公開の是非や提言がどこまで施策に反映されうるのか、また反映される仕組みを作るのかなど、気になる点は多い。「本件の進捗状況については逐次ホームページ等を通して公開します」とあるので、その状況報告に注目したいところだ。
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