今年も熱中症の季節到来、厚生労働省がリーフレット公開で注意喚起へ
2014/05/28 12:15
厚生労働省は2014年5月27日、今年夏期における熱中症予防を呼びかける際の広報展開の一環としてリーフレット「熱中症予防のために」を作成し、各地方自治体、都道府県の労働局に対し、周知依頼の連絡を行うと共に、その内容を公開した。リーフレットはプリントすると2枚組のもので、シンプルに熱中症を予防するために必要なこと、熱中症らしき病症の人を見かけた際の対応事項、各種関連情報のウェブサイトURLなどがまとめられている(【発表リリース:熱中症予防のために】)。
↑ 熱中症予防のために(一部)
厚生労働省では毎年、熱中症による救急車での搬送者が明らかに増加する夏期に近づくこの時期になると、熱中症に対する注意喚起を行う目的でリーフレットを作成し、関連方面に通達の形で周知している。熱中症という病症の内容や対策が1年で大きく様変わりするわけではないので内容はさほど変化はないが、原則、基本的なことがしっかりと列挙されており、夏に向けた対策・知識の再確認という観点では非常に有益な内容となっている。
今回リーフレットでは「暑さを避ける」「こまめに水分を補給する」「熱中症が疑われる人を見かけたら」の項目に区分し、それぞれ重要視すること、最低限知識として身に着け、覚えておくべきことがまとめられている。「今さら何を」的な内容も多いが、チェックリスト的なものとして使うとの観点で考えれば、役立つものに違いないる
中でも熱中症の症状、具体的には「めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い」「頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う」「重症になると 返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い」は大切な項目。これらの症状を単なる体調不良や風邪の類と勘違いし、対応が遅れてしまいかねないからだ。
また昨今の電力事情を受けて「節電を意識するあまり、熱中症予防を忘れないようご注意ください。気温や湿度の高い日には、無理な節電はせず、適度に扇風機やエアコンを使いましょう」との記述があるのも注目に値する。
総務省消防庁では毎年6月から9月は月次で逐次、熱中症に関する救急搬送状況の報告を行い、熱中症に関する注意喚起を実施している(【消防庁:熱中症情報】)。今年は早くも5月半ばごろから、月次と並行して報告する週次分についての報告も始まっており、それによるとすでに5月19日から25日の1週間で、全国で291人もの人が熱中症と思われる病症で救急搬送されている。
↑ 2014年5月19日から25日における熱中症関連搬送者状況
今年は昨年以上に電力事情でキツい状況が予想されるため、リーフレットでも注意されている「節電に気遣っての室内熱中症発症」のリスクが懸念される。今回発表されたリーフレットなどを用いて知識と事前準備で万全な備えをし、自分自身はもちろん、周囲の人も合わせ、十分な対応をしてほしいものである。
■関連記事:
【「今年も数値目標なし」…2014年夏の節電要請内容正式発表】
【熱中症についてまとめてみる】
【熱中症経験者は1割足らず、予防対策は「水分補給」に冷房、帽子や日傘使用】
【熱中症による搬送者数、1週間で148人・今年の累計は5万9105人に(2013年9月30日-10月6日)(最新)】
スポンサードリンク