西に200メートル移動で飯田橋駅の「ホームのすき間」問題解消へ
2014/07/03 12:30
JR東日本は2014年7月2日、東京都内の中央線飯田橋駅において、列車とホームのすき間が一部大きくなってしまい、転落リスクが生じている件について、抜本的な解消策・安全対策として、ホームそのものを西側(新宿方)に約200メートル移設し、直線化することを発表した。この移設に伴い、同駅の西口駅舎の改良、さらには駅前広場の整備も合わせて実施する。具体的スケジュールはまだ未確定だが、今年度から基本設計に着手し、早期の工事を目指す(【発表リリース:JR中央線飯田橋駅ホームにおける抜本的な安全対策の着手について】)。
↑ 中央線飯田橋駅ホームにおける「すき間」の現状
現在の飯田橋駅ホームは急な曲線区間に配されており(曲線半径300メートル)、この影響を受けて列車とホームとのすき間が大きくなってしまっている(列車がホームの曲線に合わせて湾曲することは不可能)。このため、転落などのリスクを低減するべく、転落検知マットや注意喚起の回転灯、さらには放送設備などを配置するなどの対策を講じてきた。今回はこれらの「対応策」では無く、抜本的な「解消策」として、ホームそのものを西側の線路直線区間に200メートルほど移設することにより、直線部分にホームを設置し、大きなすき間が生じないように施策を実施することになる。
↑ 上部から見た移設イメージ。現状では急な曲面の部分にホームが設置されているため、どうしてもホームと列車の間にすき間が開いてしまう。今回はホームそのものをずらして線路の直線部分に移し、すき間を通常の駅と同様程度に狭めようとするもの
ホームを移設するのに合わせ、西口の駅舎の建て直し、さらにその駅舎に小規模な店舗の建設や駅前広場の整備を行う(駅前広場整備は千代田区との連携)。具体的な計画立案は今年度からで、具体的な完成までのスケジュールは現時点では未定。
一方、移設先の範囲の一部は江戸城外堀跡としての史跡区域に指定されている。そのため第三者の有識者で構成される委員会の設置を行い、今件が文化財に配慮した計画となるような検討がなされることになる。
同日JR東日本からは東京駅周辺地区の整備が発表されているが、今件もまた、2020年開催の東京オリンピックを見据えての動きの一つと考えることもできる。同駅を普段から利用している人は既知の話だが、何らかのきっかけでたまたま利用する人は、その「すき間リスク」に驚くことになる。具体的な移転計画の早期立案と、その実行を願いたいものだ。
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