「協業には大きな可能性」ローソン、成城石井を完全子会社化
2014/09/30 17:01


↑ 成城石井のウェブサイト)
成城石井は関東地方を中心に中部・関西地方にも展開を行っている、食品系スーパーマーケット。1927年に東京都世田谷区成城にて食料店として創業し、現在では100店舗を超える店舗数を有している(今年9月時点で120店舗)。「食にこだわり、豊かな社会を創造する。」を経営理念とし、特に独自ブランドの食品には定評がある。
今回ローソンでは自社が独自の仕組みで「おいしい」を追求していることに関し、安全安心な商品を開発・製造する成城石井との間に共通する業務方針を有していること、さらに他の一般的なスーパーとは一線を画する独自性を持つ成城石井との協業により、大きな可能性を見出せると判断、今回同社の株式を持つ投資ファンドから全株式を譲り受け、子会社化を果たすこととなった。株式の譲渡実行予定日は2014年10月31日。
リリースによれば成城石井に関しては「成城石井の経営理念を尊重の上、成城石井がこれまで築いてきたブランドなどの事業基盤を大切にし、現在の体制を維持しつつ」とあり、また一部報道でも伝えられている通り、成城石井の店名や体制は現状のまま維持される模様。その上で「ローソンが持つ店舗立地獲得、ロジスティクス、購買データの活用などに関するノウハウ提供を通じて、大都市圏市場における二極化への対応を強化し、圧倒的な競争力を有する業態として 進化し続けていくことをサポートし」ていくと説明している。つまりローソンの持つノウハウやデータを成城石井にも有効に活用してもらい、さらに出店や成長の加速を推し量ることになる。

チェーンストア業界では唯一堅調な販売部門の食品分野を中心に取り扱う、食品中心となるスーパーマーケット様式の店舗では、コンビニ大手もさまざまな試行錯誤を行っている。ローソンによる今回の買収劇で、元々ローソンマートを展開していた同社が、さらにこの分野で一歩前に進んだことになる。その思惑が上手くいけば、コンビニとスーパーの長短所を見越した商圏戦略がなされることが予想される。ローソン自身の今後の方策(成城石井への取り組みも含め)はもちろんだが、同業他社の動きにも注目したいところだ。
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