座ったまま前後左右、さらには斜めに移動できる電動一輪車「U3-X」登場
2009/09/25 05:18
[ホンダ(7267)]は2009年9月24日、「人の歩行のような前後左右や斜めへの自由自在な動き」と、「人の両足の間に収まるコンパクトなサイズ」を両立したパーソナルモビリティ(個人の移動性)技術を開発し、試作機となる電動一輪車「U3-X」を公開した。搭乗者の体の傾きをセンサーで感知し、さまざまな方向へ自動的に動くことができる(【発表リリース】)。
U3-X。公式チャンネルの動画。(【直接リンクはこちら】)
U3-Xは技術検証用のモデルのような電動一輪車。スペック的には高さ650ミリ・幅160ミリ・長さ315ミリ・重さ10キログラム以下のコンパクトサイズで、バッテリーにはリチウムイオン電池を採用。一度の充電で1時間は走行できる。基本的には乗っている人の体重の移動を感知し、曲がるだけでなく止めることもできる。
「パーソナルモビリティ技術」は【ホンダのロボット「ASIMO」が自分で考え連係プレーも可能に】などでも紹介しているホンダの二足歩行ロボット「ASIMO」のバランス制御技術、そして前後移動、さらには真横や斜めにも移動できる全方位駆動車輪機構(Honda Omni Traction Drive System 以下、HOT Drive System)を用い、体を傾けて体重移動するだけで速度や方向の調整が可能で、さまざまな方向に動き・曲がり・止まれるというもの。
HOT Drive System。複数の小径車輪を一列につなぎ合わせて構成した大径車輪を、前後左右や斜めに駆動できる独自の車輪機構。大径車輪を動かすことで前後移動、小径車輪を動かすことで左右移動、2つそれぞれの動きを組み合わせることで斜め移動が可能。
動画や画像を見ればお分かりの通り「U3-X」は乗車時の足着き性が良く、利用時の目線の高さを一般歩行者と同じとするなど「乗る人と周囲の人に優しい、コンパクトなサイズの一輪モビリティ(移動性)」としている。
どのような利用シーンが想定できるかなど、まだ未知数の部分が多いというのが正直な感想。ミニサイズの車いすなど、足腰を弱めた人向けの機器に応用できそうな、あるいはオフィス内におけるちょっとした移動用マシンにも使えそうな気がする。工場内での移動には役立つものとなるだろう。似たようなコンセプトとしてはくだんの「セグウェイ」がイメージできるが、こちらは両手を自在に使えるのがポイント。……出前を運んだりお茶などの給仕に使える、というイメージはあまりにも発想が貧相だろうか(笑)。
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