名古屋から札幌へ旅した路面電車「名電1号」、世紀を経て里帰りで明治村に展示へ
2013/11/20 11:40
名古屋鉄道は2013年11月19日、公益財団法人明治村と共に、名古屋電気鉄道(名古屋鉄道の前身)が1907年まで市電車両として使用していた「旧・名古屋電気鉄道 第1号電車(略称「名電1号」)」について、現在の所有者である札幌市交通局の協力により期間限定で借り受け、博物館明治村(愛知県犬山市)で展示・一般公開することを発表した。展示は2014年6月から2020年3月までの予定。明治村開村50周年(2015年3月18日)を記念として行う行事の一環(【博物館明治村開村50周年「名電1号里帰りプロジェクト」が始動します】)。
↑ 現在札幌市交通局の交通資料館で展示中の「名電1号」。木製電車22号車として保存状態にある
↑ 名古屋市で運営されていた当時の名電1号
「名電1号」とは1901年に名古屋で製造され、1907年まで名古屋電気鉄道が名古屋市内で使用した、26人乗りの路面電車。その後、札幌電気軌道が同車両を購入し、1918年に札幌初となる路面電車「29号」として使用を開始。さらに1927年からは札幌市が市電として譲り受け、1936年頃まで札幌市民の交通機関として働き続けた。
その後廃車となるも1951年までは保管され、1960年までは札幌市円山動物園内で遊戯物として展示、さらに札幌市交通局に復帰して別の廃車車両から部品を転用して運転可能な状態に整備され、「22号」として改番、各種イベントで運行。現在交通資料館で静態保存中に至る(現状では走行は不可能)。
↑ 保存中の22号=名電1号。Wikipediaより
今件は明治村が開村50周年を2015年3月18日に迎えるにあたり、名鉄グループが行う各種記念事業の一環として博物館明治村で2014年6月から2020年3月まで同車両の展示を行う「名電1号里帰りプロジェクト」として実施される。それに先立ち2013年11月29日から陸路・海路を経て、修理工場がある大阪市へ移送され、修理が行われ、その後展示となる。なお展示開始の2014年6月は、名鉄創業120年周年にもあたるという。
名古屋で運用時の同車両を利用した人はさすがに存命していないだろうが(100歳を超えているはず)、札幌で活躍していた姿を見た、利用した人は多分に居るはず。また、稼働時の利用・目撃経験は無くとも、そのフォルムに懐かしさを覚える人は、鉄道ファンならずとも多いに違いない。展示開始以降、機会があれば一度は足を運び、その雄姿を目にして欲しいものだ。
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