ラーメン店が多い都道府県は“脳卒中の死亡率が高い”──自治医科大学による2019年の研究を紹介への解説コメント

2024/07/17 18:00



今件は相関関係であり、因果関係ではないことに注意が必要です。つまりラーメン店普及率が高くなるほど、脳卒中者が増えるわけではありません。むしろ、何か別の事象に絡んで相関関係が生まれたと考える方が自然です。

家計調査で総世帯の外食・中華そば(ラーメン)の支出額(円)と、人口動態統計から脳血管疾患の死亡率(人口10万対)を比べ、上位都道府県を見ると

・中華そば支出額
宮城県…16341
福島県…14306
山形県…13522
新潟県…12562
愛知県…12143
兵庫県…11808
富山県…11158
高知県…10578

・脳血管疾患の死亡率
秋田県…169.9
岩手県…165.2
山形県…133.4
福島県…130.2
新潟県…129.0
高知県…124.3
青森県…124.0
鹿児島県…119.8
長野県…119.2

となり、相関関係ですら確認できませんでした。脳血管疾患は高塩分や寒冷地で多いことが知られていることから、それらの地域ではラーメン店が多いとの想定がなりたつでしょう。

5年前の論文がなぜ突然あちこちで話題に上るのかは不思議ですが(記事の書き手は別人)、ラーメン店普及率が高くなるほど、脳卒中者が増えるわけではありません。むしろ、何か別の事象に絡んで相関関係が生まれたと考える方が自然です。ラーメン店だけではなく、似たような相関関係を持つ値もあるかもしれないですね。

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