先進国の少子化対策に明暗…フランスが「EUトップの出生率」を実現できた理由への解説コメント

2024/08/26 18:06



仏の出生率は他のEU諸国が高いのは、以前から仏において多数の少子化対策が実施されていたからです。例えば高い出産期女性の労働力率、手厚い家族手当、子供が3歳になるまでは育児休業や時短労働が認められる仕組み、多様な保育サービス、そして男女ともに短い労働時間や、社会様式として同棲による婚外子が一般的なことからです。

前世紀末からの底上げのため、仏では他国と比べ高い値ですが、それでも2010年の2.03をピークに、他国同様漸減を続けています(世界銀行のデータバンクより)。

2008年…2.01
2010年…2.03
2012年…2.01
2014年…2.00
2016年…1.92
2018年…1.87
2020年…1.83
2022年…1.794

フランスの少子化対策は、今世紀初頭までは有効だったものの、それ以降においては効果が薄い、少子化の歯止めにはならないというのが実情でしょう。

フランスの出生率は他のEU諸国よりは高いけど、結局他国同様に失速してたような…ということで、データを改めて抽出して確認した次第です。2010年ぐらいでピークとなり、それ以降は失速。なので、フランスの少子化対策が上手く行っていたのは、2010年ぐらいまでの社会情勢に限るという次第。「現在EUではトップの出生率」なのは、2010年までの底上げがあったからに過ぎないわけですね。グラフを掲載できればよかったのですが。

日本は1.30、米国は1.66、韓国は0.81…各国の合計特殊出生率推移(最新)
https://garbagenews.net/archives/1654942.html

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