高齢者世帯の約59%「生活苦しい」9月1日以降に送付『年金生活者支援給付金』対象者や支給額は?への解説コメント

2024/09/20 06:29



「厚生労働省の2023年の調査」とあるのは国民生活基礎調査で、生活意識の状況を尋ねたものです。この設問は毎年実施されており、直近2023年の結果は本文にある通りですが、ロシアによるウクライナへの侵略戦争で生じた資源高に影響を受けた物価高、特に食料品やインフラ料金の高騰が大きく影響しています。消費者物価指数の動向を見ても、全体では6.8ポイントの上昇ですが、食料は13.2、光熱・水道は一時的に16.2も上昇を見せています(2022年1月→2023年12月)。

そして高齢者はその生活スタイルから、食費が生活費全体に占める割合は高くなっています。エンゲル係数を試算すると、全体では24%ですが、70歳以上では33%となっています(二人以上世帯、品目分類で計算)。支出割合の高い品目が大きく値上がりするとなれば、物価高による生活の苦しさを実感するのも当然となります。

国民生活基礎調査では母子世帯についても同様の調査がされていて、高齢者世帯同様食費の割合が高いので、当然生活苦の実感も高いものとなっています。あれもこれもみんなロシアが悪いんだ、というのが結論なのですが、これを口にする人、あまりいないですよねえ…。

ちなみに「年金だけじゃ足りないんじゃないか」とも本文にありますが、年金制度は元々現役世代の手取りの数割を補完するのが目的のもの。残りは自前の貯蓄や他の年金、労働対価などで賄って、というのが前提なのですね。この補完する割合を所得代替率といいます。直近2024年度では61.2%。

所得代替率とは 年金の給付水準を表す指標
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA025JS0S4A700C2000000/

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