裕福な家庭と低所得家庭の子どもたち、「旅行」に行ったことがあるかどうか「格差の実態」への解説コメント

2024/10/06 08:05



話題書とされる書『体験格差』をトリガーとして子供の体験格差が殊更に報じられていますが、「日本初の全国調査」とあるものの、公的機関の調査では、この類は複数実施されています。単に検証される機会が少ないだけです。

例えば総務省の社会生活基礎調査ですと、例えば子供のいる世帯で世帯年収別行動率を知ることができます(万円、%)。

・水泳
300未満…12.4
300~499…17.4
500~699…17.5
700~999…17.6
1000~1499…16.9
1500以上…22.2

・野球
300未満…12.7
300~499…16.2
500~699…18.6
700~999…17.2
1000~1499…17.6
1500以上…21.2

・キャンプ
300未満…4.8
300~499…8.7
500~699…9.6
700~999…10.6
1000~1499…11.7
1500以上…13.4

ばらつきはあるものの、高年収の世帯ほど子供は多様な体験をする機会が得られています。無論この経験をしなければいけない、という義務的なものではありません。

格差格差と騒いでいれば本が売れるしポストバズる、的な感じすら覚える、最近の子供の「体験格差」話。元はと言えば講談社の「体験格差」がトリガーになっているようなんだけど、この類の子供の経験に関する全国調査って昔から公的調査ではいくつも行われていて、それのみをピックアップした調査ではないからさぐられて検証されてないだけの話なんですよね。

世間一般的にお金の上での格差云々、子供の体験格差云々とあれば、目を引きやすいテーマ二枚重ねってことで注目を集めやすくなるってのは分かりますが。特定の要目に限定してそれをしていなかった子供はかわいそう、格差だから社会が悪い的な話ってどうなんだろうと思うこの頃。全学校で子供をクルーザーにのせて世界一周旅行をさせるよう義務化すれば満足するのでしょうかね。

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