年金生活「毎月3.7万円」毎年膨れ上がる赤字…さらに家計を圧迫する「老人ホームの請求額」への解説コメント

2024/10/18 07:24



「2000万円問題」が起きた時にも使われた手法ですが、家計調査の結果を用いた話は、あくまでもそのような環境下における実世帯の実情の平均値を示しているにすぎません。語られている「夫婦高齢者無職世帯(65歳以上の夫婦のみで双方とも無職。子供などは同居せず)」で3万7916円赤字という話は、公的年金やその他(家賃収入など)で足りない分を、貯蓄の取り崩しなどで補っているのが現状だと示している以上の意味はありません。

そして公的年金の基本理念・仕組みは、現役世代の手取りの数割(所得代替率、現在では6割台)を補完するもので、それだけで生活する性質のものではありません。蓄財の取り崩しや就労対価で補うことが前提となっています。

なおこの「赤字」とされる値は、毎年大きく変化します。2022年分では2万5214円、2021年分では2万2106円、2020年分では2115円でした。

そもそも「赤字」という表現を用いる時点で、公的年金だけで生活費をフルに充当するという皮算用をしている・勧めていることになるわけで、こういう表現が公的年金の主旨を誤認させるようにしてるんだなぁ、ということを再認識する次第。あくまでも結果論で、それだけ公的年金などだけでは不足しているから、取り崩して生活しているんですよ、という以上の意味はないのですけどね。

「赤字」を「膨れ上がる」と表現するのなら、それは積み重なっていくイメージでしかないのですが、実際は取り崩されるわけで、逆に蓄財が減っていくんですけどね。

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