にわかに脚光、国民民主「103万円の壁」公約の核心はどこにある?「178万円で働き控え解消」~への解説コメント

2024/11/07 07:22



「1995年からの最低賃金の上昇率1.73倍」のみを取り上げ、物価上昇率は1.1倍だからそちらにすべきとの話ですが、元々国民民主の政策インデックスにはその直前に「所得税を課す最低金額の引き上げ等を行い、賃金上昇に伴う名目所得の増加によってより高い所得税率が適用され、賃金上昇率以上に所得税の負担が増える「ブラケット・クリープ」に対応します」とあり、物価上昇率ではなく最低賃金をベースに勘案されているかの説明がなされています。この説明に目を通していれば、物価上昇率の話は出てこないと思います。

ちなみに厚労省の賃金構造基本統計調査を元に初任給で勘案すると、男性高卒で1.23倍、高専卒で1.35倍、大卒で1.24倍となります。

また「高所得者ほど減税幅が大きい逆累進」とのことですが、消費税同様に、所得に占める割合の観点では、低所得者ほど減税割合が大きい累進性であることを指摘しておきます。

1.73倍のところだけクローズアップされていて、その前提部分を読んでいる人がどれだけいるかな~という件。要は累進課税制において賃金上昇分以上に税負担が増える事態が生じてしまっているので、その解消のために課税し始める土台の部分を底上げしようという話。なんかちらほらと試算の話も出てるけど、やはり具体的な内容が欲しいところ。

そして「高所得者ほど減税幅が大きい逆累進」の話。これ、先日も思いっきりつっこまれてたけど、所得に対する割合の観点ではちゃんと累進性になってるのよね。負担という観点でなら、対可処分所得比率でもいい。高所得者は所得の大部分が可処分所得になるけど、低所得者の所得に占める可処分所得の比率はさほど高くはないのですよね。

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