「103万円の壁」見直しで神奈川県、最大1千億円の減収 黒岩知事が懸念への解説コメント

2024/11/12 08:21



地方税は各自治体の財源となり、地方の行政を支える要となります。しかし総務省の「地方税の意義と役割」によると、都道府県の歳入合計63.74兆円のうち、地方税は23.13兆円。国からの地方交付税(自治体が自由に使える)9.53兆円、国庫支出金(使い道が限定されている)12.67兆円が大きな支えに。

「年収103万円の壁」の引き上げでの地方税減収ですが、和歌山県知事も同じ懸念を表明しています。一方、国の試算「7.6兆円減収」も同様ですが、試算の詳しい内容が伝えられず、検証不可能なのが問題です。国税と地方税で多少の違いはあれど、税は基本的に景気の調整役で、税制の変更で減収が生じた場合、その分だけ市場に資金が流入し、景気を後押しするのを忘れてはなりません。今件試算でも、引き上げでいかなる経済効果が生まれ、増収につながるか、その点が勘案されているのか。それが無ければ説得力の欠けたものとなるでしょう。

国税と比べて地方税は、財源としての意味合いが強いので必死になるのは理解できます。一方で、該当試算において変更による経済効果・増収分の勘案がなされていないっぽいのが気になるところなのですよね。そもそも「年収103万円の壁」の引き上げってのは、該当消費者の負担軽減と労働機会の底上げ、可処分所得の増加を目的としたものなのであり、減収が目的ではないのですから。

あと、コメントにもあったけど、「年収103万円の壁」の引き上げで1000億円の減収ってことは、これまではそれだけ低所得層から徴税してたんだよね、という認識、分かってるのかな。複数の視点で物事を見ないと、自分が何を言ってるのか正しく把握できないのですよね、と。

和歌山県知事 年収103万円の壁が見直された場合「地方税減収分は国補填が前提」
https://news.yahoo.co.jp/articles/79d0ba7f2a9d54c37b7ee1c38d3374056e3049cd
地方税の意義と役割
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/150790_02.html

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