「賛成とは到底言えない」村井宮城県知事 103万円の壁見直し 宮城県と各市町村で税収810億円減と試算への解説コメント

2024/11/13 18:33



「壁」問題においては、国や自治体が挙げている「減収」の具体的根拠・計算方式が示されておらず、信ぴょう性に欠けます。「国の試算を基にした機械的な計算」とありますので、国が提示した試算値を基に、単純に比例する形で地方税の税収総合値から割合を求めて逆算したのでしょう。

「壁」問題で生じうる減収は、自治体から見れば徴税額の減少ですが、それはそのまま納税者にとっては減税につながります。しかも対象者を勘案すれば、低所得者や労働力に余力がある人で、それらの人における可処分所得の増加が期待できます。元々「壁」問題の解消話は、この効果を期待してのものです(不公平是正の観点もあり、以前から撤廃・改善の論議や実際に施策もなされています)。

加え、知事の「それだけ収入が増えれば消費が回って税収が上がるといった空事」は問題の根本を理解していないことを明らかにしたもので、問題発言と認識されかねません。

いやぁ、確かに、政府が出した地方税の減収額があるので、それと地方税の総額、対象となる自治体の地方税額があれば、割合から各自治体の減収額はフェルミ推定レベルで試算できますけどね…それをドヤ顔で振り回してみたり、さらには「それだけ収入が増えれば消費が回って税収が上がるといった空事」と堂々と発言されると、底が知れるなぁ、と感想を述べざるを得ないわけですよ、これが。確かに国税と違って地方税は、財源としての重要性が高いから必死になるのは分かりますけど。それでもお金のお話ですから、慎重に判断して意思表示をしてほしいものです。ノリだけで口にすると、後々面倒なことになりかねませんよ、と。

信ぴょう性の精査ができない、ブラックボックス状態の数字が独り歩きする状況、大変よろしくないのですけどねえ…。

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