林官房長官“103万円の壁”議論「高所得者ほど減税の恩恵大きい」 国、地方の減収「総合的に考慮して」への解説コメント

2024/11/18 07:19



「年収の壁」に関して「高所得者ほど減税の恩恵が大きい」との言及がありましたが、これは先月末に政府試算として各報道で伝えられたパネル「年収の壁 引き上げの減税効果」にある数字をそのまま反すうしたものと思われます。そのパネルでは、基礎控除を75万円引き上げた場合

年収2300万円…38万円
年収500万円…13万円
年収210万円…9万円

とあり、金額では当然ながら高年収の方が多くの減税効果を得られます。

しかしこれを年収比で計算すると

2300万円…1.65%
500万円…2.60%
210万円…4.29%

となり、低年収の方が年収比で受ける効果は大きいことになります。低年収の方がエンゲル係数が高くなる、年収に占める可処分所得の割合が低くなる傾向があることを併せ考えると、むしろ「年収が低い世帯ほど大きく恩恵を受ける」と見ることができます。

「恩恵」の定義を正しく成すべきでしょう。

金額だけを見れば高所得者の方が恩恵額は大きいけど、年収比や可処分所得比とかで勘案すれば、間違いなく低所得層の方が恩恵は大きい。年収2300万円の世帯において、どれだけ消費するのか、その消費に対する減税効果度合いを考えねばならないよね、という話は繰り返しツッコミを受けていたし、例えば消費税そのものでもまたしかりってことで、理解はしているはずなんだろうけど、知らないふりをしてるんだろうな、と。あるいはそういう考えそのものが無いのかもしれない。

国民案なら減税7.6兆円 「年収の壁」で政府試算への解説コメント
https://pn.blog.jp/archives/1084216218.html

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