高額療養費の自己負担、上限5~15%引き上げ案…保険料軽減狙い厚労省検討への解説コメント

2024/12/03 18:13



高額療養費制度の改訂に関しては厚労省「社会保障審議会(医療保険部会)」の第186回分や第187回分に詳細が語られていますが、その内容の限りではセーフティネットの一環として高額療養費制度は欠かせないものの、医療費そのもの以上の伸び方で高額療養費が伸び、中でも高額の薬剤による高額療養費の支給額が急激に増え、負担率が減っていると指摘しています(「高齢者の場合には特に、新しく収載された年間300万円の認知症治療薬も自己負担が月8000円以内のケースがあるので(中略)公的保険の役割をある程度超えた補助ではないかという懸念がある」)。

他方、制度の改定にあたっては「高額な薬剤による治療を躊躇することにつながらないよう配慮が必要である」との文言も確認できますが、正直なところ矛盾した内容であり、本文にある試算内容の実情もあわせ、どのような具体的内容が出てくるのか、注目したいところです。

本文後半にある試算が公開資料で見つからないので、あるいは5日開催の部局会に先駆けたリーク的なものなのかなと思いつつ。要は、高齢化が進んで医療技術も進歩して、特に高額の薬品に対する高額療養費での負担が大きくなっていて、目指すべき自己負担率が減っている=高額療養費などで公費が負担する割合が大きくなっているってのが問題になっていると。

先日の在職老齢年金の話とか、さらには103万円の壁もいきつくところは同じなんだけど、高年収であるならば相応の負担ってのは納得のいく話であるのに加え、元々この辺りは逐次状況に応じて修正されるはずだったのが、制度が旧態依然化するぐらいまで放置されていたのがよろしくない、と。


社会保障審議会(医療保険部会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28708.html

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