「国の借金1200兆円」「年金受給額引き下げ」…日本はいったいどうなってしまうのかへの解説コメント

2025/02/12 07:57



財務省の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」には「(国の)借金」の文言は一切ありません。この表現は「借金」の対象が日本国全体、国家組織や所属企業、民間人の全てに至るまでとの誤読につながります。

日本国債の約9割(直近四半期で93.5%)は日本国内で購入され、その額は日本国民の債権。さらに日本国債は円建て。そして日銀の利益のうち剰余金は準備金や出資者への配当に充当される分を除き、国庫に納付(国庫納付金)。加え政府は日銀の株式を55%保有、配当も受け取れます。直近令和5年度における国庫納付金2兆2872億円は国の一般会計の歳入金に。

この類の話では負債だけでなく資産も見る必要があります。日本の対外純資産(対外資産と対外負債の合算)は3.321兆ドルで世界第一位(IMF公開値より)。

国債(などの発行額)を「国の借金」とする表現を見つけたら、身構えて目を通すのをお勧めします。

国家財政は経済の安定的な成長のため、国民の生活をよくするための存在です。プライマリーバランスの安定化のための存在ではありません。なお財務省の資料によると、先進諸国では国債は借換するのが一般的で、「国の借金」との表現で元本を減らそうとしているのは日本だけです(財務省「国の債務管理の在り方に関する懇談会(第36回)議事要旨」より)。

「国の借金」という表現があったら身構えるというより、眉唾物だと認識すべき。

スポンサードリンク



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー