メルアドだけで荷物が送れる「メルアド宅配便」990円で登場
2009/12/16 07:02
[ソフトバンク(9984)]グループの物流事業会社ソフトバンク・フレームワークスは2009年12月14日、受取人の住所を知らなくても「メールアドレスだけで荷物を送ることができる配送サービス」「メルアド宅配便」を同年12月16日から開始すると発表した。5キロ以下の荷物は送り先に関わらず全国一律990円(【発表リリース】、【メルアド宅配便公式サイト】)。
↑ メルアド宅配便公式サイト
↑ メルアド宅配便の仕組み
「メルアド宅配便」はメル友やSNS、ブログ、オークションなどのネットコミュニティユーザー間の「物理的なモノ」のやり取りの需要に着目し、相互の氏名、住所、電話番号といった個人情報を保護したまま荷物が送れる宅配サービス。これまで同種のメールアドレスによる宅配サービスでは、オークションサービスのユーザーなど利用対象者が特定グループに限定され、購入商品代金の決済サービスとのセットが提供条件であるケースや、「メールアドレス情報だけで送れる」としながらも必ずしも個人情報保護が十分でないなど、利用者の要望を満たしきれていない側面があったとのこと。
今回「メルアド便」では、これらの問題を解決し、オークションユーザーだけなど用途を限定することなく、インターネットを使って簡単な手続きで安心・安全に荷物を送ることが可能となった。荷物の集荷および配送に関しては、佐川急便の協力のもと、全国にサービスを提供することになる。
具体的には上の図にあるように、「差出人の情報と受取人のメールアドレス入力」「受取人に荷物の受領をするかしないかのメール着信・返答(受取人の情報入力)」「差出人に『受取人の了解』メールが届き、該当する荷物の集荷日時を選択する画面に移行する」という手順を取る。差出人・受取人双方とも相手の氏名や住所などの個人情報を知る事無く、メールアドレスだけで荷物の受け渡しができる仕組みは、【今年はケータイにも対応! ミクシィ年賀状+(プラス)スタート】で紹介したミクシィ年賀状などとほぼ同じ。受取人側では身に覚えの無い第三者からの「メルアド宅配便」の送付希望メールが届いた場合、荷物配送希望そのものを拒否できるので、いたずらなどを防ぐことができる。
「メルアド宅配便」の利用には会員登録の手続きや、配送伝票などの記述は不要。携帯電話のメールアドレスでも使用できる。また、一部宅配サービスにあるように「コンビニ・運送会社への荷物持ち込み」は無く、差出人住所への集荷のみ。支払いは差出人・クレジットカード決済のみで、着払いなどの仕組みは無い。
料金は5キロまで・縦横高さ合わせて100センチメートル以下・30万円を超えずに法令に違反しない荷物(信書や貨幣も不可)を対象として、一律990円。重量超過の場合のみ、別途追加料金が請求される。また、ウェブ上で受取人が受け取りを承諾したにも関わらず、配送時点で拒否した場合は、その荷物は差出人に返送されることになる(費用は差出人負担)。
インターネットが社会に深く浸透した現在、「本物の」個人情報を出さずに人格を形成してやり取りをする機会が増えている(俗に言うハンドルネーム、ペンネームなどを用いる場合。有名人などもしかり)。それらの人たちの間でデジタルデータでは無く、物理的な品物をやり取りしたい場合、今回のようなサービスは非常にありがたいものとなる。今後どのような活用方法があるのかは、利用者側の創意工夫や自由なアイディアで生み出されるだろう。今回の「メルアド宅配便」は大いに注目・期待したいサービスといえよう。
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