【更新】貨物機関車もハイブリッドで省エネ・JR貨物が新型車両HD300型を導入
2010/02/14 07:01
JR貨物は2010年2月10日、現在使用中だが老朽化の著しいDE10型ディーゼル機関車の代替機関車として、新型のハイブリッド機関車「HD300型」を導入すると発表した。1号車両にあたるHD300-901は今年3月末に車両製作工事が落成予定。現行車両DE10型と共に、貨物駅構内での貨車の入れ替え作業などに従事することになる(【発表リリース】)。
↑ HD300-901(イメージ図)
HD300型はディーゼルエンジン発電機と蓄電池の双方の動力源を協調運転(ハイブリッドシステム)するシステムで、国土交通省の鉄道技術開発の補助を受けている。名前の「HD300」のうち「H」は「ハイブリッド機関車」、「D」は動力車軸の軸数(ABCDで4番目だから4本)、「300」は主電動機の種類で「同期電動機」を意味する。
「ハイブリッドシステム」は同社が2008年から開発してきた高性能電池技術を応用しているが、この導入により「排出ガス3-4割以上」「騒音レベル10デシベル以上の低減」「二酸化炭素排出量の大幅削減」が期待できるとのこと。
詳しくは【自家用車よりも効率的・建機世界もハイブリッド車両の時代に】で解説しているが、「ハイブリッド」の仕組みは一定速度・方向の走行を続ける車両よりも、頻繁に方向や速度を変える車両の方が効率の良い運用が期待できる。今回導入が決まったHD300も「貨物駅構内での貨車の入れ替え作業が主な作業」であり、まさにうってつけのシステムといえる。
なお搭載されているシステムだが、[一部報道(日刊工業新聞)]などによれば【東芝(6502)】の【新型リチウムイオン二次電池SCiB】とのこと。このSCiBは他社の二次電池と比べ安全性や安定性に優れており、産業用としての性能に長けている([東芝の昨年8月に発表された経営方針説明会資料(PDF)]の25ページあたりにもHD300を指すと思われる機関車の姿と概要が見て取れる)。
今後次々と導入されるHD300。その姿を駅などで見かけるチャンスも、そう遠くないうちにやってくることだろう。
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