【更新】大日本印刷など、国内最大級の電子書店サイトを今秋開設へ

2010/07/09 05:03


書籍【大日本印刷(7912)】とその子会社CHIグループは2010年7月8日、約10万点のコンテンツをそろえた日本国内最大級の電子書店を今年の秋に開設すると発表した。名称は現時点で未定。パソコンや携帯電話、スマートフォン、電子書籍専用端末など、多種多様な表示端末に向けた電子出版コンテンツを販売するとのこと([発表リリース])。



bk1
bk1(ビーケーワン)
今回発表された電子書店では、CHIグループの子会社で図書館流通センター運営のオンライン書店「bk1(ビーケーワン)」と連携するだけでなく、今後DNP(大日本印刷)グループの丸善、ジュンク堂、文教堂などの書店との連携も進めていく。いわく「生活者向けの電子書店事業」として展開し、5年後には500億円の売上を目指すことになる。

さらに電子書店の展開に伴い、「紙の書籍」制作から、POD(プリントオンデマンド、データ入力から最終印刷工程まで一貫したデジタル処理を行うもの。必要な部数だけ必要な時に印刷できるので、在庫管理費が節約できる。他にも顧客ごとに印刷内容を変えて、各個のニーズにも対応できる)、各種端末向けの電子出版コンテンツの制作・編集、そして配信までをもワンストップに行う出版体制「ハイブリッド制作ソリューション」体制を強化し、出版社に提供していくことになる。

そして制作した電子出版コンテンツは、DNPの新電子書店での販売だけでなく、DNPグループの会社で電子書籍の取次事業を行うモバイルブック・ジェーピーを通じ、他の電子書店にも流通させることで、出版社側に多くの販売機会を提供する。

ウェブの書斎
DNPではこれまでもPC向けの
電子書籍販売サイト「ウェブの書斎」の
運営なども手掛けている
他にも「電子出版コンテンツの保管・管理支援サービス」「著作権管理・印税支払い業務支援サービス」「電子書籍販売サイトの構築・運用支援サービス」など、電子出版ビジネスに関わる業務を総合的に支援し、出版社のビジネス拡大を多方面から支援していく考えをも表明している。

以前【大日本印刷、主婦の友社株式39%を取得し傘下へ】【大日本印刷がジュンク堂を連結子会社に・書店部門の強化が目的】などでも触れたが、大日本印刷はその資本力と事業規模、既存のノウハウなどを活かし類似他社をグループ傘下におさめ、「上流から下流まで」の経営を目指している。今件はすべての仕組みを取り込んだ上で、電子出版の世界に大きな第一歩を踏み出すことになるのか。非常に興味深い動きといえよう。



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