センサーでお勧め飲料をズバリ表示する次世代自販機、JR東日本の東京近郊駅に続々登場

2010/11/17 19:30


次世代自販機【JR東日本(9020)】の100%子会社で飲料の卸売りや関連自動販売機事業を行うJR東日本ウォータービジネスは2010年11月15日、先の8月10日に先行展開を開始した(【該当リリース、PDF】)「次世代販売機」について、売上が通常の自販機の約3倍に上がったこと、同年11月16日以降、東京駅への5台の設置を皮きりに、2011年3月までに100台程度、2012年3月までにさらに400台程度を東京近郊のJR東日本のエキナカ(駅構内)に設置展開していくことを発表した(【発表リリース】)。




↑ 8月に先行試験で導入された時の報道。
↑ 8月に先行試験で導入された時の報道。【直接リンクはこちら】

この自動販売機(次世代自販機)は大型タッチパネルディスプレイ(47インチ、輝度1200cd)が前面に押し出す形で組み込まれており、普段はWiMAXネットワークを用いてデジタルサイネージとして用いられる。そして顧客が近付くとその大型画面ディスプレイに商品を表示。さらに自販機上部に設置されているセンサーで顧客属性(年代・性別)を判定し、その属性別にお勧めの商品を表示していく。


↑ 学生が代わる代わる前に立ち、お勧め商品が変わるところを実験している様子。
↑ 学生が代わる代わる前に立ち、お勧め商品が変わるところを実験している様子。お勧め商品には「おすすめ」の文字と、びっくりマークが添付される。【直接リンクはこちら】

このお勧め商品については、季節や時間帯、環境に応じて最適化が行われ、お客のニーズによりマッチした商品を推奨し、需要の掘り起こしが行われることになる。さらに属性情報を含むデータがPOS情報として取得されるため、各種マーケティングデータ(お勧め商品の精度向上化も含め)としての活用も可能。

次世代自販機従来の野外広告と最新のデジタル技術(通信・CG・計算など)を組み合わせた、いわゆるデジタルサイネージが新世代の広告手法として熱い視線が注がれている。既存の野外広告のメリットに、従来型の手法では出来なかったことをデジタル技術に任せることで、今回の「まるで自動販売機の中にコンシェルジュがいるかのような形で商品を展開できる」「不必要な時は普通の広告媒体として活用できる」という、夢のような自動販売機が実現することになった。実際、今回のリリースでも言及されているが、従来型と比べて3倍もの売上を見せたことから、訴求効果は十分以上にあったと考えてよい。

元リリースに目を通す限りでは、属性とお勧め商品の関係は中央サーバーで一元管理しているようだ。実際には自販機の場所で同じ時間帯でも微妙に利用性向が異なってくるし、天候や温度などによる変移も考えられる。ベースとなるデータは各自販機共有のものとし、細かいパラメータの調整を個々の自販機毎に逐次蓄積させて行い、さらに簡易版のベイズ理論(過去の事例を元に柔軟に逐次将来の予想を行う考え方)も合わせて採用すれば、よりマッチング度の高い、そして購入率の高い「お勧め商品」の展開ができることだろう。


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