角川書店、都青少年健全育成条例改正案に「異議あり」として東京都の「東京国際アニメフェア」不参加表明

2010/12/09 05:13


異議あり角川グループホールディングスのグループ会社角川書店は2010年12月8日、2011年3月に開催予定の【東京国際アニメフェア】について、出典を取りやめることを明らかにした。同社の井上伸一郎社長が同日ツイッター上で【「さてこの度、角川書店は来年の東京アニメフェアへの出展を取りやめることにいたしました。マンガ家やアニメ関係者に対しての、都の姿勢に納得がいかないところがありまして。」】と表明、不参加の意思と共にその事由などを明らかにしている。これに対しアニメフェア側などからは今のところ反応の言及などは確認されていない。



↑ 東京国際アニメフェア
↑ 東京国際アニメフェア

東京国際アニメフェアは東京都と関連団体で構成される実行委員会によって運営・開催され、2002年から毎年行われているアニメの祭典。実行委員会の委員長は現在の石原慎太郎都知事。角川書店も実行委員に加わっており、今年開催のフェアでは244社が出展、13万2000人あまりが来場する大きなイベントである。

今回角川書店が出展取りやめを表明したのは、上記コメント内容にもあるように、東京都が現在提案している「都青少年健全育成条例改正案」に関し、都の姿勢に抗議をする意味としてのもの。今改正案については出版業界から「も」表現の自由を束縛しかねない、条例の解釈次第で広範囲な規制・検閲が行われ得る内容である、理路整然とした説明がなされていないなど、多数の問題点・疑問点が指摘されている。

出版業界の大手で、多種多彩なコンテンツを抱え、実行委員にも加わっている角川書店が「都青少年健全育成条例改正案」に対する疑問を明示した上で、東京国際アニメフェアへの不参加を表明したことにより、今件条例改正案の問題の大きさが改めて認識されることとなった。それと共に角川書店の不参加表明により、同業他社が角川同様に改正案への抗議の意を含めて追随する可能性も否定できない。

今後他社、そして東京都などの動きが気になるところだ。


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