単行本サイズの「ヤングマガジン」、1号限りで同一内容・同価格で発売
2013/12/10 12:40


↑ 該当号の「単行本サイズ」(左)と「通常版」(右)
今回発表された「単行本サイズ」が併発されるヤングマガジン第4・5合併号では、表紙にはAKB48の小嶋陽菜嬢を起用。『新宿スワン』の和久井健先生の新連載『セキセイインコ』のスタート、木多康昭先生の3年ぶりの連載復帰による新連載『喧嘩稼業』の2回目掲載など、年末の合併号のボリューム感をさらに積み増す内容となっている。
「単行本サイズ」の内容は「通常版」とまったく同じ。強いて言えば表紙に注意書きとして吹き出しにて「内容は通常版と同じです。『単行本サイズ』!!」との注意書きがあり、本のとじ方が通常の中とじではなく平とじ(背表紙が見える、単行本のようなタイプの本のとじ方)なのが相違点。
定期的に発刊している雑誌について、通常版と同時にミニサイズを刊行するという試みは、先日【女性コミック誌Cocohana1月号がミニサイズでも同時発売、名前は「Cocohanaリトル」】でも伝えた通り、集英社の女性向けコミック誌「Cocohana」が現在発売中の2014年1月号で実施している。こちらも通常版と同じ内容でサイズも同じくB6単行本サイズ、価格は100円値下げした上での発売となっている。
「ヤングマガジン」の「単行本サイズ」版の発売の理由について、講談社では何の言及もしていない。単なる話題作りでは無く、上記Cocohanaに関する記事でも言及した通り、アマゾン・キンドルをはじめとしたモバイル系の電子書籍リーダーや、コンビニなどで定番商品化している再編集・文庫サイズ的な漫画単行本を多分に意識したものと考えられる。恐らくは実証実験的に市場へ投入し、その反応を見定めているのだろう。
販売店側にすれば配置スペースを節約できるメリットがあるものの、これまでとは違ったサイズで提供されることにより配置そのものに困る可能性も多分にある。また流通上の混乱も無いとは言い切れない。今後他雑誌の動向も合わせ、該当誌の販売動向を見定めたいものだ。
追記:ミニサイズ化について【『週刊ヤングマガジン』(講談社)、通常版と単行本サイズを同時発売(新文化)】に、「今年7月に行われた「ヤンマガ原画展2013」のアンケートで、小さな判型の雑誌への期待が多く寄せられたことから実施する」との表記が確認できました。
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