当期純利益はマイナス91.7%…スクエニ、PS3版『FF14』の発売延期などで業績予想の下方修正

2010/12/17 07:01


業績予想修正【スクウェア・エニックス(9684)】は2010年12月16日、同社が同年11月4日に公表していた2011年3月期(2010年4月1日-2011年3月31日)通期連結業績予想について、これを下方修正することを発表した。売上は1600億円から1300億円(マイナス18.8%)、純利益は120億円から10億円(マイナス91.7%)に縮小される。先に【スクエニ、『ファイナルファンタジーXIV』PS3版発売時期を未定・開発体制を刷新へ】でもお伝えしたように、オンラインゲームの『ファイナルファンタジーXIV』のプレイステーション3(PS3)版の発売延期・Windows版も含めたサービス全体の改善決定などを主な原因と説明している(【発表リリース】)。



↑ スクウェア・エニックスHD業績予想修正内容(億円)
↑ スクウェア・エニックスHD業績予想修正内容(億円)

スクウェア・エニックスでは先にお伝えしたように、『ドラゴンクエスト』シリーズと並び同社の大黒柱的タイトル『ファイナルファンタジー』シリーズのうち、本格的な多人数同時参加型オンラインロールプレイングゲームとしては、『ファイナルファンタジーXI(11)』に続くタイトルの位置づけにある『XIV(14)』について、PS3版の発売を延期すると共に開発陣の刷新を発表。さらに現在運営中のウィンドウズ版についても、無料期間を継続することを明らかにしている。双方ともリリースの表現を使えば「お客様からご期待いただいている水準に達していないとの認識」によるものだが、決算期をまたいだ延期となったため、業績への影響が懸念されていた。

さらにリリースによると来年1月-3月に発売が予定されていたアクションゲームの『デウスエクス』についても、発売を次期(2011年4月以降)に延期することを決定。そしてこれらの延期などを起因とし、今回の業績予想の下方修正となったことを説明している。

業績予想の修正内容については、

・売上高……1600億円→1300億円(300億円減)
・営業利益……200億円→80億円(120億円減)
・経常利益……200億円→60億円(140億円減)
・当期純利益……120億円→10億円(110億円減)

となり、経費を差し引いたあとの利益分がかなり損なわれた形となっている。

今回の業績予想修正は「機会の損失」ではなく「機会の繰り延べ」なため、単純に考えれば今回差し引かれた分は次期予想への上乗せとなる。しかし販売のタイミングをずらすことによる売上予想の減少、開発費などの経費の上乗せなど、マイナス要素も少なくない。現在進行期分の下方修正は仕方ないとして、次期予想がどれほどのものになるのか、それも気になるところではある。



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