ローソンと調剤薬局のミズが提携、九州に地域健康ステーションを展開へ
2013/12/11 09:30


↑ 「ローソン+MIZ」施設イメージ
ローソンでは2003年に最初の調剤薬局併設型コンビニを開設して以来、首都圏を中心に36店舗を営業中。また本年10月からは「マチの健康ステーション」をスローガンに、健康的な商品とサービスの提供を目指して事業活動を展開している。この流れに合わせ、薬業で100年を越える歴史を持つミズ(溝上薬局)との間で双方のノウハウや強みを活かし、地域住民の健康づくりや予防に貢献する「健康ステーション機能」を持つ新型店舗を共同で開発することになった。
今回展開が決定した「ローソン+MIZ」1号店は、調剤薬局併設型コンビニと複数の診療機関(内科、皮膚科、産婦人科、歯科)が入った医療モール、高齢者向け住宅型有料老人ホームが一体となった複合体施設。店内では医療機関の処方せんへの対応、薬剤師による健康相談だけでなく、地域住民が参加できる健康プログラム(メタボリックシンドローム、認知症、ロコモティブシンドロームなどの予防、健康診断やがん検診の受診勧奨など)、専属スタッフによる介護相談など専門性の高いサービスが提供される。
さらに「ローソン+MIZ」を拠点として、佐賀県とミズが締結している「健康増進!佐賀県とミズとの連携と協力に関する協定」に基づき、県民の健康的な暮らしに資する行政情報を提供していくことになる。店舗のオープン日など詳細は現時点では未定で、決定次第逐次お知らせするとのこと。
地域浸透性という観点におけるコンビニとドラッグストアの親和性、社会構造の高齢化に伴うコンビニの利用客の年齢層の変化、多様なサービスの提供によるコンビニのインフラ・社会的存在意義の高まりなどを受け、昨今ではコンビニと調剤薬局、ドラッグストアが提携し、複合店舗を展開する事例が相次いでいる。この動きは数年前から本格化しているが、確実に事例が増え、提携企業数も増加していることから、一時的な流行り廃りではなく、需要の増加は確かなものと考えられる。
今件の提携と展開される店舗(群)は、単にコンビニと薬事系サービスの一体化に留まらず、医療や養護まで含めた総合的な健康医療施設としての体裁となる。さらにミズを介して行政とも深いつながりを有することになるため、地域からこれまで以上に厚い信頼が寄せられることも期待できる。
ビジネスとして稼働させ続けるための利用客数の確保をどのようにして行うのかなど、超えねばならないハードルも少なくない。しかし今後確実に需要が増加する分野を取り合わせたスタイルによる事業には違いない。その成り行きに注目したいところだ。
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