UCC上島、コーヒー出荷価格を値上げ・店頭価格は2割ほど上昇の見込み
2011/01/26 06:57


↑ ニューヨーク商品先物市場におけるコーヒー豆の相場動向(週足)。【フジフューチャーズ】から。
リリースによればコーヒー生豆国際相場は、昨年2010年半ばから上昇基調に転じ、年末には1ポンドあたり240セントを超え、前年比で1.7倍を超える高値水準にまで達している。そして現在も同水準の高値を維持しており、相場動向が下落に転じる様子は見られない。
このコーヒー生豆価格の高騰は、経済成長が好調なBRICsなどの新興国が牽引して世界規模でコーヒー消費量が拡大する一方、世界の主要生産国ではこの需要増に対応できる供給体制が整わないという需給のアンバランスが挙げられる。結果、世界在庫は過去最低水準まで減少。特にマイルド系のコーヒーはコロンビアの減産の影響で、中米産を含め全体的に供給不足が続いており、実需取引では相場水準を著しく超えているとのこと。なかでもコロンビアは1ポンドあたり300セントに迫る勢いで原料価格が上昇しているとも伝えている。

具体的な値上げ幅は冒頭でも触れたように、小売店における実質店頭価格は20%ほどの上昇が見込まれる。一方で直営挽き売りコーヒー店でのレギュラーコーヒーの販売価格はキログラムあたり200円-300円の値上げとなる。
【UCC上島珈琲が家庭用珈琲を値上げ・珈琲豆の高騰で】でも解説しているが、一連のコーヒー生豆の価格上昇に大きな影響を与えているコロンビアでの減産は
・生産性を上げる計画、木の植え替えプログラムの一部がうまくいかなかった
・昨年は干ばつ、今年はラニーニャ現象による長雨が続くことによる病害虫の影響、ロヤと呼ばれる病気の問題
・2年ほど前からマイルドコーヒーは供給不足で、今回の不作でクローズアップされた形に
・昨年は干ばつ、今年はラニーニャ現象による長雨が続くことによる病害虫の影響、ロヤと呼ばれる病気の問題
・2年ほど前からマイルドコーヒーは供給不足で、今回の不作でクローズアップされた形に
など複数要因を起因としている。一方ブラジルでは多方面での備えを果たしており、ブラジル産の供給に大きな問題はないとのこと。
コロンビア産コーヒーの不足・価格上昇は対UCC上島珈琲品だけではないことを考えると、今後他コーヒー会社の動向、そしてコーヒーを販売している外食産業や食品企業の動向が気になるところだ。
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