角川とグリーが業務提携、GREEでソーシャル電子書籍サービスや「涼宮ハルヒ」のソーシャルゲームを展開へ
2011/02/25 06:38
【角川グループホールディングス(9477)】と【グリー(3632)】は2011年2月24日、角川グループ各社が有する雑誌・書籍・映画・アニメ・コミック・ゲームのコンテンツと、グリーの運営するソーシャルメディア「GREE」の双方を活用して相乗効果を生み出すため、業務提携を行うと発表した。ソーシャル的な電子書籍サービスの展開や、角川のコンテンツをベースにしたソーシャルアプリをGREE上で行う。角川側は保有コンテンツの立体的な活用をGREEのバックボーンのもとで行え、グリー側は角川のコンテンツを活かしてGREEのサービスをより充実させることができるようになる(【発表リリース】)。
↑ 展開予定のソーシャルアプリ
角川では【角川グループ、マルチプラットフォームのコンテンツ提供サービス「Fan+」にコンテンツショップをオープンへ】などでも伝えているように、自社グループが持つ豊富なコンテンツを多種多様な方面で展開し、経営資源の有効活用化を推し進めている。今回提携先となるグリーは、会員数2383万人(2010年末時点)を持つソーシャルメディア「GREE」を運営しており、コンテンツの有効提供が行える場といえる。
そこで今回業務提携を行うことで、冒頭でも触れたように「角川側はソーシャルメディアの仕組みを用いて多角的なコンテンツの活用をうながせる」「グリー側はGREEのコンテンツボリュームを飛躍的・多次元的に増やすことができる」と、双方の益にかなう展開が期待できることになる。
今回発表された業務提携内容は大きく3つ。
・「GREE」のソーシャル性を活用した電子書籍サービスの提供
・角川グループのコンテンツを活用したソーシャルアプリを「GREE Platform」で提供
・両社のサービス・メディアを連携させた共同プロモーションの展開
・角川グループのコンテンツを活用したソーシャルアプリを「GREE Platform」で提供
・両社のサービス・メディアを連携させた共同プロモーションの展開
共同プロモーションの展開や、角川のコンテンツを使ったソーシャルアプリの稼働はよくある事例だが、目に止まるのは「ソーシャル性を活用した電子サービスの提供」。リリースによれば
角川グループの電子書籍プラットフォーム「BOOK☆WALKER」と、「GREE」のソーシャル性を融合し。ソーシャル・ネットワーキング・サービスでは初となる「ソーシャル電子書籍アプリ」を「GREE Platform」で提供(今夏開始予定)
●「ソーシャル電子書籍」の特徴
・自分が購入した書籍を友だちと紹介しあう
・自分の購買履歴=本棚や、自分の書評を友達と共有する
・友達が欲しがっている書籍を購買してプレゼントするなど(詳細検討中)
さらに将来的には、複数の“友達”と読み進めたり、複数のユーザーの選択によってストーリーが変わっていくなど、既存の紙の本を中心としたコンテンツでは表現できない、ソーシャルリーディングを前提とした新しいコンテンツの開発も共同で行う。
●「ソーシャル電子書籍」の特徴
・自分が購入した書籍を友だちと紹介しあう
・自分の購買履歴=本棚や、自分の書評を友達と共有する
・友達が欲しがっている書籍を購買してプレゼントするなど(詳細検討中)
さらに将来的には、複数の“友達”と読み進めたり、複数のユーザーの選択によってストーリーが変わっていくなど、既存の紙の本を中心としたコンテンツでは表現できない、ソーシャルリーディングを前提とした新しいコンテンツの開発も共同で行う。
とある。現時点では実働していないので内容の評価を定めるのは難しいが、電子書籍における読書を単なる「書を読む」に留まらせず、ソーシャルメディアを活用してこそ可能な切り口のサービスを提供し、発展させていくという考えは、非常に興味深い(必ずそれを行わねばならないわけではなく、選択肢として提供するというのもポイントの一つ)。
似たような切り口のサービスはすでにアマゾンやそのASPを活用したウェブサービス(例えば【アマゾンを多元効率的に活用するために……「あまとも」サービススタート】で紹介した【あまとも】)、さらにはアメリカ本家のアマゾン(【角川グループとグリーが業務提携、GREE上で電子書籍や「涼宮ハルヒ」のソーシャルゲームを】で触れているが、電子書籍の貸し借りが出来るサービスを展開中)などで見受けられる。
それらを会員2000万人超のGREE上で展開することにより、どのような相乗効果が生み出されることになるのか。サービスの内容そのものはもちろんだが、その成果も気になるところであり、今後の動向に注目せずにはいられない。
スポンサードリンク