日本登山医学会、低体温対策など登山医学方面の情報を地震被災者向けに提供開始

2011/03/15 06:54


避難日本登山医学会は2011年3月14日、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震などを受け、同学会が持つ地震関連の有益情報を携帯電話向けにも発信できるよう、【日本登山医学会ブログ】を創設したと発表した。現時点で最新情報として、【被災者の方へ低体温対策情報】のタイトルで、被災先で低体温そのもの、そして各種対策に関する情報を発信している。



↑ 日本登山医学会ブログ
↑ 日本登山医学会ブログ

日本登山医学会は創立以来27年の歴史を持つ日本を代表する唯一の登山医学の専門家の団体。急性高山病・高地肺水腫・高地脳浮腫といった低圧低酸素によって生じる障害、低体温症や凍傷といった寒冷による障害、紫外線や宇宙線による障害など、登山や高所で起こるあらゆる障害に対処できるように研鑽している。構成員は医師や生理学研究者ばかりではなく、登山や高所での健康にかかわるすべての職業の方が参加しており、エキスパート集団的な存在といえる。

現在、地震で避難して救助を待つ人や、避難所でも十分な暖房がなく寒冷環境にいる人は少なくない。暖房設備があっても電力供給が十分でない、燃料の供給が無く在庫が底を尽きるなどの状況もある。これらの状況下では「低体温症」が発生しやすく、そのリスクを訴えている。

寒さ3月14日に更新された「被災者の方へ低体温対策情報」では、「一般の人向け <避難場所での低体温症対策>」とし、「なぜ低体温症になるのか?」「低体温症になりやすい人・なりやすい状態」「低体温症に気づくには?」「低体温症の対応が遅れるわけは?」「体温測定は?」「震えが始まったら何をすればいいのか?」「悪化のサインは?」「震えがなくなったり、意識がもうろうとしてきたら?」など小見出しで分割し、分かりやすい表現で説明している。

冒頭で触れたように今ブログは携帯電話からも閲覧ができるので、パソコンでのアクセス環境を整えにくい被災地や、停電地帯でも確認が可能。本日3月15日は前日より寒さが厳しくなるとの予想がされている。特に被災地では既存ストックの暖房用燃料の残りが厳しくなり、避難している方々の疲労が蓄積しはじめるタイミングと重なることもあり、憂慮すべき事態といえる。

情報を知り、その上で各種備えを講じて状況の到来を待つのと、何も知らずに事象が起きてから慌てふためくのとでは、結果が大いに異なる。それはどのような場合においても、である。閲覧できる環境にある人は、チェックも兼ねて、一度は目を通しておいてほしい。


※追伸:
紙おむつに関する指摘などを姉妹サイトに追加しました。こちらも合わせてお読みください。
【低体温症とオムツの話】



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