漫画「いいひと。」の阪神・淡路大震災復興編、今震災の精神的支援として期間限定で無料公開
2011/03/27 12:00


↑ 今件を伝えている高橋しん氏のブログ「SINPre.com! ver.5.7β」
「いいひと。」はスポーツ用具メーカーに勤める底抜けに明るくてお人よしな主人公と、それを取り巻く様々な人たちの生き様を描いた、人間ドラマ的な作品。やわらかで優しいタッチの人物描写、各章毎にストーリーの中心となる人物が存在し、本来の主人公がその人物と読者の橋渡し的な立場を取る構成が印象的な作品。
今回無料公開された「いいひと。+…and I still remember.-これから。」は、「いいひと。」のうち連載時の1997年時に掲載された「阪神・淡路大震災のその後」をテーマに描いた章をまとめ、いくつかの追加説明を加えたもの。単純なPDFファイルで無料公開されているため、パソコンでの購読を勧めてはいるが、アンドロイド携帯やiPhone、iPadなどでも閲覧が可能(確認済みとのこと)。また「いいひと。」そのものはまた書店で取り扱われている絶版前の作品ではあるが、今回の主旨に鑑み、小学館も特別の許可を行っている。
今回の無料配信について作者の高橋しん氏はブログの中で「精神的な支援に、もしもなるならと思い」提供したと説明する一方、「テーマ自体が震災です。傷つくと感じられる方、PTSD等ご心配な方は、どうぞこの漫画をダウンロードしたり読まないで下さい」と注意を促している。その上で今回の行動が「『こんな時にでも誰かに勇気をわける事が出来る、信じる』という、漫画が持ち得る道を途絶えさせてはいけないと思い」決断したと伝えている。その他高橋氏の今回の公開に対する想いが切々と語られているので、【作品の公開を伝えるページ】は是非最後まで読み通した上で、公開された作品に触れてほしい。
今震災では様々な人が自分の持ち得るリソースの中で、何か出来ることはないかと苦悩を続け、そして結論を導き出し、行動を始めている。今件の高橋氏による作品公開もまたその一つ。公開された作品そのものや、それに今回添付された文章などから、高橋氏の想いが少しでも感じとることができれば、今件はきっと、意義のある行動なのに違いない。
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