【更新】JR西日本、被災影響で部品調達かなわず間引き運転開始・今夏までの可能性も
2011/04/03 06:53
【JR西日本(9021)】では先に【JR西日本、地震に伴う車両保守部品不足・4月下旬以降に列車運行で影響示唆】でお伝えしたように、車両の保守部品の調達が東日本大地震の影響で難しくなったため、2011年4月2日から一部線区で列車の運休などの見直し、具体的には「間引き運転」といわれている運転本数の減少・運転区間の短縮を始めた。現時点では山陰本線や舞鶴線など京阪神はのぞかれているが、同年4月11日からは京阪神地区にも対象が広げられる([発表ページ])。
↑ 直流電動機ブラシ(直流電動機カーボンブラシ)(再録)
今件は一部車両(JR西日本では在来線電車4700両の約半分2300両)の運行に欠かせない車両保守部品「直流電動機カーボンブラシ(モーターを動かすのに必要)」を製作している日立化成工業の、素材製造工場(茨城県日立市)が被災したことに起因するもの。また、福島県双葉郡浪江町にある最終加工工場が福島第一原発の避難区域にあるため、操業再開のめどが現在立たない状態にある。このような状態のため同社では「列車編成の編成車両数の見直し」「該当車両を用いる線区では、データイムを中心に運転本数の見直し」「女性専用車の終日化は当面見送り」などの措置を明らかにしていた。
現時点で「間引き運転」が行われているのは、大阪環状線などの京阪神地区「以外」の区域(北陸、和歌山、福知山、岡山、広島)。データイムが中心で、通常の7-9割程度の運転本数となる。一部地区では通学時の輸送不足に対応するため、ディーゼルカーでの臨時列車を運転する。
また同年4月11日からは大阪環状線や大和路線などの京阪神エリアでも平日・土休日を問わず「間引き運転」を実施する。こちらはデータイムの運転本数を減らし、一部線区で通常の85-95%の運転本数とする。
今回品不足が問題視されているカーボンブラシについては、【業界紙の化学工業日報が3月29日に伝えるところ】によると、
・日立化成工業の素材製造工場は4月上旬稼働再開に向けて点検中
・日立化成工業の福島県双葉郡浪江町にある最終加工工場は原発避難区域にあるため、生産再開のめどが立たない
・東海カーボン、東洋炭素、新日本テクノカーボン、帝国カーボン工業、トライス、富士カーボン製造所、東京通信機材などの同業他社が緊急措置として日立化成の関係者を受け入れ、製品仕様書を基に生産に対応する。他のメーカーにも協力を仰ぐ
・ブラシの加工には1-2か月かかる。材料生産には焼成工程を含むために3-4か月を有する。
・ブラシの材料となるカーボンブロックの在庫があったとしてもカーボンブラシを出荷できるのは「早くて」5月以降、在庫次第では焼成工程も含むため数か月ずれ込む可能性
・日立化成工業の福島県双葉郡浪江町にある最終加工工場は原発避難区域にあるため、生産再開のめどが立たない
・東海カーボン、東洋炭素、新日本テクノカーボン、帝国カーボン工業、トライス、富士カーボン製造所、東京通信機材などの同業他社が緊急措置として日立化成の関係者を受け入れ、製品仕様書を基に生産に対応する。他のメーカーにも協力を仰ぐ
・ブラシの加工には1-2か月かかる。材料生産には焼成工程を含むために3-4か月を有する。
・ブラシの材料となるカーボンブロックの在庫があったとしてもカーボンブラシを出荷できるのは「早くて」5月以降、在庫次第では焼成工程も含むため数か月ずれ込む可能性
との現状が伝えられている。カーボンブラシの本格的な供給再開、つまりJR西日本をはじめとした鉄道各社の運転状況改善は最良でもあと一か月、状況次第では今夏までにずれ込みそうである。
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