「自販機はすでに電力ピーク時に9割電力カットの対策済み」日本自動販売機工業会発表
2011/04/11 19:30

「エコベンダー」とは1995年から電力会社と共同で開発普及させてきた、自動販売機の冷却の仕組み。夏の昼間における電力消費量の需要増加は【東京電力管轄内の最大電力需要の推移をグラフ化してみる(追補版)】などで伝えている通りだが、この電力需要増加に対応するため、缶・PET清涼飲料自販機においては、
・7-9月の3か月間の平日が対象期日
(需要ピーク月、休日は工場などが休みのための電力需要は減る)
・電力需要の少ない午前中から午後1時まで商品を強めに冷やす
・電力需要の多い午後1時-午後4時は冷却機の運転を停止する
・停止時間の際に使う電力は、紙幣や硬貨の識別に使う電力と待機電力のみで、1台あたり17W
(従来電力消費量の9割減)(比較例:棒形の蛍光灯が20W-40W)
(需要ピーク月、休日は工場などが休みのための電力需要は減る)
・電力需要の少ない午前中から午後1時まで商品を強めに冷やす
・電力需要の多い午後1時-午後4時は冷却機の運転を停止する
・停止時間の際に使う電力は、紙幣や硬貨の識別に使う電力と待機電力のみで、1台あたり17W
(従来電力消費量の9割減)(比較例:棒形の蛍光灯が20W-40W)
という仕組みが組み込まれており、夏季における電力浪費の懸念はほとんど無いとされている。また、この機能(ピークカット機能)は自動販売機に内蔵されるマイコン(ICチップなど)でカレンダー制御されており、出荷時設定となっている。また、屋外などに設置されたあと、この機能を解除することは出来ない。
他にも【飲料販売機な・る・ほ・どBOOK!(PDF)】や【TEPCOの紹介ページ】、【高度情報科学技術研究機構に収録されている論文「自動販売機の現状とエネルギー対策」】によれば、
・商品自体を蓄熱材として活用し、コストやスペースの問題を解決(蓄熱槽を使わない)
・断熱材(硬質発泡ウレタン、真空断熱材)を強化して放熱ロスを低減
・自販機内部の断熱材で仕切られた部屋に1台ずつ冷却ユニットを設置し、冷却効率を上げている
・断熱材(硬質発泡ウレタン、真空断熱材)を強化して放熱ロスを低減
・自販機内部の断熱材で仕切られた部屋に1台ずつ冷却ユニットを設置し、冷却効率を上げている
などの機能改善を推し進め、現在の消費電力減少分につながっているとのこと。

↑ 缶・ボトル飲料自販機の年間消費電力量の推移(飲料販売機な・る・ほ・どBOOK!から抜粋)

先の東日本大地震の際には、多くの自動販売機が「災害時情報発信自販機」や「災害時無償提供自販機」としての役割を果たしている。見た目だけでなく、実情までを把握した上で、判断を下したいものだ。
ちなみに【2009年末自販機普及台数及び年間自販金額】によると日本国内の自販機数は約520万台。上記グラフやデータから逆算するに1台あたりの平均電力需要は約170W。通常時の電力需要は約90万kW・ピーク時は約9万kWにまで減少することになる(もちろんこれは「全国の」自販機における値)。
スポンサードリンク