ホンダのHonda Jet、量産型で最大運用高度1万3000メートルを記録
2011/05/19 12:00


↑ HondaJetの海外でのCM。ホンダのバイク同様に身近な存在になることを示唆する内容となっている。【直接リンクはこちら】
HondaJetは2011年4月27日にHACI本社がある米国ノースカロライナ州のピードモントトライアッド国際空港を離陸し、最大運用高度4万3000フィートと上昇速度毎分3990フィート(約1216メートル/分)をそれぞれ記録。2011年3月11日に最高速度425ノット(時速約787キロメートル)を記録したことに続き、今回の飛行試験でも主要な目標性能値を達成したことにより、HondaJetの高い性能を実証することとなった。
HACIは現在、FAAおよび欧州航空安全局の型式認定取得に向けて、「量産型初号機」による飛行試験に加え、量産型2号機を用いて機体強度などを確認する構造試験を実施しており、認定試験は順調に進んでいると伝えている。また、EBACEにおいて、新たに赤いカラーリングを施した量産型3号機を公開している。

↑ EBACEでのHondaJetブース

↑ HondaJet(左から順にコンセプト実証機、量産型初号機、量産型3号機)
今件では「試作機」ではなく、「量産機」でしっかりとした数字が出せた点に注目すべき。お披露目用の試作機ではなく、公示された諸元が出せる機体を量産できる体制が整ったことを意味するからだ。HondaJetの開発責任者であり、開発・製造・販売を担当するHACI社長の藤野 道格氏は「飛行テストの初期段階でHondaJetの優れた性能をあらためて確認できたことに満足しています。今回の飛行試験でも期待通りのデータを得ることができました。認定飛行や地上試験を行うために、複数の量産型機の追加を予定しています。2012年後半のお客様への機体引き渡しに向けて、認定試験の効率をさらに高めていきます」と語り、今後の順調なスケジュール進行に自信を見せている。
また、今年4月にはHACI本社隣接地内のHondaJet機体生産工場が完成。この工場は、HondaJetの組み立て、塗装、出荷検査までの全工程を非常に効率良く行うことができるように設計されており、2012年の生産開始に向けて設備の設置などが行われている。試験などにおけるトラブルが無ければ、来年にはHondaJetの量産機が次々にこの工場から吐き出されることだろう。
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