大口需要家への電力制限の緩和や除外対象など、詳細発表

2011/05/26 06:19


節電経済産業省は2011年5月25日、東京電力・東北電力の両電力会社管轄内で、瞬間最大使用電力の制限(「電力使用制限令」)を同年7月1日から開始すると発表した。東京電力では9月22日まで、東北電力では9月9日まで、双方とも平日の9時から20時までを対象とする。電気事業法第27条に基づき、大口需要家(契約電力500kW以上)を対象としたもので、昨年の夏のピーク時と比較して15%の節電を求める。ただし約30分野は公共サービスなどへの影響が大きいとして節電除外対象としたり、節電幅の縮小を認めている(【発表ページ】)。



電気事業法第27条とは

経済産業大臣は、電気の需給の調整を行わなければ電気の供給の不足が国民経済及び国民生活に悪影響を及ぼし、公共の利益を阻害するおそれがあると認められるときは、その事態を克服するため必要な限度において、政令で定めるところにより、使用電力量の限度、使用最大電力の限度、用途若しくは使用を停止すべき日時を定めて、一般電気事業者、特定電気事業者若しくは特定規模電気事業者の供給する電気の使用を制限し、又は受電電力の容量の限度を定めて、一般電気事業者からの受電を制限することができる。

と定められているもので、今回の電力制限の法的根拠はこの法令によるところとなる(同法119条の定めによれば、これに反したものには100万円以下の罰金が科せられる)。

大口需要家の15%節電目標については先に【節電目標、一律15%に引き下げ】にあるように、すでに提示されている。今回発表されたのは制限対象から外される、あるいは節電幅の縮小が認められた施設など。後者は5%・10%のいずれかとなり、0%・5%・10%・15%の節電幅のいずれかが該当することになる(0%の場合でも「去年ピーク時と比して同じ」という意味で、むやみやたらと浪費してよいという意味ではない)。

具体的施設はリリースにあるが、例えば医療関係、老人福祉・介護関係、衛生・公衆安全関係の一部、被災地の復旧・復興に不可欠な需要設備は0%となる。また、企業の運営スタイルによっては、企業本体と工場で電力を合わせ、合計で15%の削減という計算を認める仕組み(共同スキーム)も用意する。業態・作業内容によって細かい区分があり、各種制限緩和の申請は6月17日までとなっているので、関連しそうな業種に携わっている人は一読をお勧めする。



スポンサードリンク



▲ページの先頭に戻る    « 前記事|次記事 »

(C)2005-2024 ガベージニュース/JGNN|お問い合わせ|サイトマップ|プライバシーポリシー