【更新】船の科学館、本館と「羊蹄丸」は9月末で展示休止
2011/07/03 19:30
船の科学館は2011年7月1日、同館の本館について、施設や展示物の老朽化が進んでいるため、今年9月30日をもって本館展示を休止することを発表した。また青函連絡船の「洋諦丸」は本館展示の休止に伴い、保存・展示を終了することになる(【発表リリース】)。
↑ 「船の科学館」での」青函連絡船「羊蹄丸」100周年記念イベント。【直接リンクはこちら】
「船の科学館」は1974年7月20日、「海の記念日」に開館した、東京都品川区の東京臨海副都心にある博物館。名前の通り船舶や海運、さらには海洋開発関連の歴史や物品を収録展示する、海洋博物館として知られている。これまで37年間に渡り1800万人(延べ人数)を超える来館客を迎えてきた。
本館部分は6万トン級の大型客船「クイーン・エリザベス2号」をモチーフにした形をしており、6階建てで内部構造も実船の構造に合わせた構成となっている(例えば最下層は機関関連の展示など)。しかしこの本館も時の経過と共に、施設そのものや内部展示物の老朽化が進行。今回次世代への海洋教育拠点へのリニューアル準備のため、今年の9月30日で本館展示を休止することが決まった。
本館での展示休止以降は、本館建物は引き続き事務所及び収蔵保管・研究施設として活用。各種展示は前面水域で保存・公開している南極観測船“宗谷”を中心に、屋外展示の公開を行う。またプール水面を活用した各種体験教室も実施して、博物館活動を継続していく。
なお今回本館の展示休止に伴い、1965年から1988年まで青函航路に就航していた連絡船「羊蹄丸」については、保存・展示を終了することになる。
↑ 羊蹄丸。【直接リンクはこちら】
本館はそのまま事務的建物として継続使用されるが、「羊蹄丸」は「保存・展示を終了」とだけあり、今後の動向に関する記載は無い。本館同様に老朽化が進んでいることから、展示取りやめも仕方が無いところがあるが、[一部報道(読売新聞)]によれば「(今後については)まったくの白紙」「新たな保存場所などが決まらない場合は、売却される可能性もある」とのこと。
ともあれ本館・羊蹄丸共に、今年の9月末日までは展示が行われる。最後の機会になる可能性もあるので、何らかの形で思い入れを持つ人は、この夏に足を運んでみてはいかがだろうか。
スポンサードリンク