【更新】忍者が和歌山城の観光をサポートするでござる
2011/07/04 07:01
和歌山県和歌山市は2011年7月2日から期間限定で、同市内の観光名所の一つである和歌山城において、電動アシスト車椅子とスロープを使い、歩行に困難が伴われる人に「表坂登り口から天守閣前広場まで」スタッフが登城サポートを行う「忍者と一緒に和歌山城!」事業を行うと発表、同事業を開始した。実施スタッフにはヘルパー2級資格取得者が含まれ、「忍者」の格好をする。単年度事業のため2012年3月31日までの期間限定で、事前申し込みが必要となる([発表ページ]、[参考報道:産経新聞])。
↑ サポートルート
和歌山城は1585年に紀州を平定した豊臣秀吉の弟・秀長が築城させた(築城担当は藤堂高虎)を起とする史跡。その後何度かの城主交代を経て、江戸時代には紀州55万5千石の居城となり、徳川御三家のひとつとして長い歴史を歩んできた。現在は和歌山公園として公開、天守閣(戦災で焼失するも復興を果たす)は国宝に指定され、現在に至っている。
今回の事業は、和歌山城内の表坂登り口から天守閣前広場までを、忍者の格好をしたスタッフが電動アシスト車椅子などを使い、登城サポートをするというもの。天守閣内へのサポートはないものの、天守閣のダイナミックさを間近に体感することができるとのこと。サポートは各日午前と午後各1回で、利用できるのは同行者をのぞき各1名。天守閣前広場での休憩なども含め、2時間以内の案内となる。また、天候悪化などの理由で中止になる場合もあることや、10日以上前に予約が必要など、留意事項がいくつかあるので、応募希望者は注意が必要。
和歌山城の天守閣には階段を登らねばならず、高齢者や歩行に困難を覚える人には憧れの場所でもあった。そのため市側では登り坂部分にスロープを設置すると共に、今回市民団体「和歌山城プロジェクト」に委託する形で、「忍者」たちがサポートする形での支援を実施した。
単年度事業での実施のため、今件は試験・調査運用的な意味合いが強いようだ。本格的に「多くの人を天守閣へ」となると、例えばエレベーターやエスカレーターの設置なども考慮されるが、景観などを考えるとそれも難しい。その観点では「忍者によるサポート」は興味深い試みともいえる。まずは「このようなサポートサービスが存在する」ことを多くの人が知り、利用してもらい、次年度以降への可能性をつなげてほしいものだ。
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