【更新】代返防止装置、富士通特許を活用して登場
2011/07/04 19:30
アルファメディアなどは2011年6月28日、富士通の特許を利用する形で大学生などの「代返」(欠席した本人になり代わって返事・応対をし、出席を装う行為)を防止する仕組みを開発、同社が提供している学生向け出席管理システム「かいけつ出席」に導入した試作機を開発したと発表した(【アルファメディア公式サイト】)。
↑ かいけつ出席
「かいけつ出席」は大学や専門学校での学生の出席管理を目的に開発された製品。IC込みの学生証をスキャナにかざすだけで、日々の出席管理を自動的に行うほか、不登校学生の把握や、学内事務支援に用いられ、これまでに複数の大学に約200台の装置を納めている。一方で他人の学生証さえ用意できれば、いわゆる「代返」が可能であることから、近年では大学における講義の質を高める機運にあり、この「代返」を防止したいとの要望が大学から寄せられていた。
そこで同社では、川崎市が実施した「市内中小企業がもつ高い技術力と大企業が持つ優れた開放特許のマッチング」を目指す知的財産交流会を通じて、富士通の特許を「かいけつ出席」に導入。代返防止機能を付与した出席管理システムを新たに開発した。
富士通の特許とは、学生による不正を防止するために開発された技術で、1枚の学生証と机に貼り付けられた固有の識別情報を1対1で対応付けることで、学生証の多重読み込みを防ぐというもの。さらにアルファメディア独自でスケルトンタイプのRFID(Radio Frequency IDentification「電波による個体識別」。安価に生産できるのが強み)タグを採用。学生によるいたずらや、タグの二重読み込みを防止するなどの工夫を凝らし、不正を働きにくい雰囲気や環境を作り出している(要は、一つの机に対して二つの学生証で、同一講義内で「出席している」という記録は不可能ということ)。
100%に近い代返防止を行うには、いわゆる生体認証機能の導入など本格的なシステムの構築と運用が必要になるものの、費用対効果を考えるとそれも難しい。今回のような安価で導入可能な仕組みの提供も選択肢の一つとして、提示される価値はあるし、需要も容易に想定できる。
当然のことながら、代返を試みる生徒が少なくなる、居ないような授業を執り行う努力が、教授や学校側にも求められよう。
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