裕福だからか、新しいモノ好きだからか…米スマートフォン保有者と他のデジタル機器との保有率の関係
2011/07/22 06:46
アメリカの大手調査機関【Pew Reserch Center】は2011年7月11日同社公式サイトにおいて、所有する携帯情報端末や、その端末を利用したオンライン上でのサイト閲覧などに関する調査報告を発表した。それによると調査対象母集団では、全体比で35%の人がiPhoneやAndroidなどのスマートフォンを保有していることが分かった(詳細は【アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」】にて)。今回は携帯情報端末の保有状況を「スマートフォン保有」「スマートフォンは持っていないが他の携帯電話を保有」「携帯情報端末そのものを持っていない」の3つに区分した上で、それぞれの区分内におけるいくつかのデジタル機器の保有率を見ていくことにする(【発表リリース:Smartphone Adoption and Usage】)。
調査様式は先行する記事「アメリカの35%はスマートフォン持ち、8%は「ネットアクセスのメイン機種」」で説明済みなので、そちらを参照してほしい。
今調査母体にiPhoneやAndroid、Blackberryなどのスマートフォンを保有しているか否かを聞いたところ、回答者全体比(携帯情報端末保有者比やインターネット利用者比では無い)で35%もの人が同意を示した。1/3以上がスマートフォン持ちという計算になる。
↑ スマートフォン保有・使用状況(全体比)(再録)
そこで調査母体を「スマートフォンを保有している(一般の携帯電話の保有有無は問わず)」以外に「スマートフォンは無いが、それ以外の携帯情報端末(いわゆる普通の携帯電話)は持っている」「携帯電話などの携帯情報端末そのものを持っていない」で区分。それぞれの階層該当者毎に、ラップトップパソコン(ノートパソコン)、mp3プレイヤー、デスクトップパソコンなどのデジタル機器の保有の是非について尋ねた結果が次のグラフ。
↑ 各携帯情報端末保有状況区分における、他のデジタル機器保有状況(スマートフォン保有、非スマートフォン保有&一般携帯電話、携帯情報端末非保有)
これは、例えば「スマートフォン保有者の79%はラップトップパソコンを保有している」と読む。
元々全般的に高年収者の方がスマートフォンの保有率は高いため、可処分所得額が大きいから、これらのデジタル機器を所有しやすいという側面はある。
↑ 年収階層別携帯情報端末保有状況(スマートフォン保有、非スマートフォン保有&一般携帯電話、携帯情報端末非保有)(再録)
とはいえ、単に金額云々だけの問題以上に、スマートフォンユーザーが他のデジタル機器を積極的に保有・活用している様子が見て取れる。特に昨今出回り始めたデバイス「電子書籍リーダー」「タブレットPC(パソコン)」について、双方とも2割前後の値を示しているところを見ると、デジタル機器全般に秀でている・得意とする層(いわゆるギークな人達)がスマートフォン保有者には多分に含まれていることが認識できる。
また逆に、「非携帯情報端末保有者」が、デジタル機器全般に対して及び腰であるのも確認できる。デスクトップパソコンはかろうじて4割を維持しているが、それでも他の階層と比べればかなり低めの部類に入る。
今件はアメリカでの調査のためアメリカに限った話となるが、例えばスマートフォン向けにmp3プレイヤーのサービスや、電子書籍リーダーの広告を打つと、一般の携帯電話に対してよりもはるかに高反応が期待できることになる。ただし「より効率的に」だけを考えていると、俗に言う「技術間格差」(テクノロジーギャップ)がさらに大きなものとなり、社会現象化してしまう。その観点では注意が必要となるだろう。
■関連記事:
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