在日米軍司令部、日米同盟50周年を記念したオリジナル漫画第4部を公開
2011/08/11 12:00
在日米軍司令部は2011年8月10日、公式サイト上において日米安全保障条約締結50周年を記念した漫画「わたしたちの同盟-永続的パートナーシップ」の第4部の公開を開始した。第1部・第2部・第3部に続く作品で、今回は主に「同盟」という言葉の意味するものや、在日米軍のうち空軍について語られている(【該当ページ】)。
↑ 在日米軍司令部公式サイト内掲載ページ
今回公開された漫画「わたしたちの同盟-永続的パートナーシップ」は日米安全保障条約(日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約)が1960年に締結されてから50周年を記念して制作・掲載されたもの。現時点の日本の情勢、日米関係は色々と申し訳なくカオスな状態と表現しなければならないのが残念ではあるが、ともあれ複数の漫画家によってイラストを多彩に交えながら、日米同盟そのものの説明や在日米軍のようす、どのような役割を果たしているのかが事細かに、そしてコミカルに描かれている。
前回第3部は3月の公開だったが、その後に発生した東日本大地震、そしてそれに伴う在日米軍による「トモダチ作戦」(【対米89%、好感度もうなぎ昇り…対外国・震災対策評価をグラフ化してみる】参照)などがあり、製作が遅れ、今回ようやくの公開となった。
↑ 複数の絵師によって日米安保や在日米軍、そして自衛隊などの現状が描かれていく
単純に「漫画」という言葉を耳にするだけでアレルギーを起こす人もいるかもしれないが、分かりやすい例え・表現方法や、ていねいな文面や図表・写真などの各種資料も織り交ぜている。いわば「漫画化」は、パワーポイントなどで作成されたプレゼンテーション用の資料と同じ手法で、目を通して理解してもらうための、ハードルを低くするための方法論の一つといえる。「同盟」「在日米軍」「空軍」などのような政治的・軍事的用語に堅苦しさを覚え、内容を把握せずに毛嫌いしてしまいそうな人でも、容易に理解できる体裁に仕上がっているのが特徴。
今回は「日米同盟」という表現で使われる「同盟」が意味する内容を、再認識する形で説明している。前半部分で語られる意味合いは多くの人が知っているが、後半部分の話は意外と多くの人が気が付いていない事柄であると同時に、非常に重要な内容でもある(とりわけ震災を経て、この言葉の重要性を改めてかみしめた人も多いに違いない)。また「空軍」周りの話も、単に軍用機に限らず、ミサイルや衛星関連についても触れられており、非常に読みごたえのあるものとなっている。
展開されている漫画は、ヒライユキオ・実左・超肉・綾部剛之(以上著者)、横井裕子(HJ、デザイン)(以上、敬称略)が担当している。発行元は在日米軍司令部。
今回公開された第4部は表紙・奥付などもあわせて全部で22ページ。【在日米軍司令部】によれば、冊子版は現在印刷中で、後ほど各米軍基地に配布される予定とのこと。以前からの願いだが、全編についてPDF化など紙への出力がしやすいバージョンでの公開を望みたいところだ。
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