隔週刊誌「ビジネスジャンプ」「スーパージャンプ」の統合月2回刊誌、「グランドジャンプ(GRAND JUMP)」に決定

2011/09/28 19:30

集英社は2011年9月28日、同社が隔週で発売している青年漫画誌「スーパージャンプ(SJ)」紙上において、先に【隔週刊誌の「ビジネスジャンプ」「スーパージャンプ」が今秋統合へ】で伝えた「スーパージャンプ」と、同じく同社発の隔週刊青年漫画誌「ビジネスジャンプ(BJ)」の合併に関する詳細第一報を発表した。同年11月に各2回刊誌「グランドジャンプ(GRAND JUMP)」を新創刊すると共に、新月刊誌(名称未発表)を12月に創刊させると伝えている(【スーパージャンプ公式サイト】)。




↑ 最新号のビジネスジャンプ(左)とスーパージャンプ(右)
スーパージャンプは1988年11月、ビジネスジャンプは1985年7月創刊の月2回刊誌。双方とも月刊誌の期間を経てから月2回刊誌となっている。前者は元々週刊少年ジャンプの増刊号的な立場から始まったこともあり青年誌的な色合いが強く、後者は若年サラリーマンをターゲットに据えている。しかし最近では両誌間の区分が難しくなってきたのと共に、若年層の趣味趣向の多様化や雑誌離れが災いし、部数低迷が続いていた。


↑ スーパージャンプとビジネスジャンプの印刷証明付き部数推移
前回発表された内容としては「BJとSJの統合」「月2回刊の青年漫画誌を秋に創刊」「月刊青年漫画誌を年内刊行」「現在増刊刊行のJUMP X(ジャンプ改)を来春定期刊行誌として創刊」の4項目だった。今回はそのうち前者三つ(詳しくは二つ)について一部を発表したことになる。

発表によれば、月2回刊誌の名前は「グランドジャンプ(GRAND JUMP)」。キャッチコピーは「オトナのための新青年漫画誌」(これは新月刊誌も同じ。暫定的なものと思われる)。新月刊誌と共に現在のBJ・SJからの連載陣が移転する事になるが(「続きはこの2冊で読める」と説明されている)現時点で移籍が決まっている作品は次の通り。


一方、これとは別に名称は未発表ながら、新月刊誌(青年漫画誌)の12月創刊も発表されており、こちらには次の作品の移籍が決まっている。


ラインアップを見る限り、「グランドジャンプ(GRAND JUMP)」の方が新月刊誌よりも読者想定年齢を高めに設定している感はある。

またこの新創刊に合わせるためか、次号のBJ・SJはいずれも合併号となり、それぞれ10月5日、10月12日に発売されることになる(予告ページを見る限り、それら合併号が新創刊前の最終号となる模様)。それらの合併号で、さらなる情報が開示される。

雑誌販売の全般的な低迷、読者側の趣味や利用媒体の多様化に伴う状況の変化で、定期漫画誌の再編が相次いでいるのは先にもお伝えした通り。当方が紹介した限りでも、【「まんが4コマKINGSぱれっと」と「まんがぱれっとLite(ライト)」が合併へ】にもあるように四コママンガ誌2誌が統合され、一部の連載がオンラインへ移行。【ヤングキングアワーズ2011年7月号 読了】にある通り、月刊漫画誌のアワーズが同じ出版社発行の月刊ヤングキング誌の再編に伴い、1/3程度の作品が移転を実施している。

雑誌全体のセールを維持、あるいは立て直しを図るため、作品の再編成が行われることは珍しい話では無い。いわゆる「作品買い」「作者買い」の読者ならば、その作品が移転すれば移転先の雑誌の購入も検討するため、売上拡大の可能性も増す。しかしそこにあるのは雑誌社側の都合・論理であり、やもすれば状況の悪化を招きかねない。

今回発表された限りにおいては、掲載作品を整理し、読者層をある程度明確化した上で再配置する思惑があるように見受けられる。次回以降の詳細発表で、各新刊のコンセプトが詳しく判明することは間違いない。移籍先未発表連載作品の動向や、恐らくは創刊に伴い用意される新連載なども合わせ、今後の情報公開が楽しみではある。

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