ファミリーマートの移動販売車「ファミマ号」2号車、福島で稼働開始

2011/10/21 06:37


ファミマ号[ファミリーマート(8028)]は2011年10月20日、常温・定温(16-20度)・冷蔵(3-8度)・冷凍(マイナス24度以下)の4温度帯の販売設備を搭載した移動コンビニ「ファミマ号」の営業を同年10月24日から福島県内で開始すると発表した。以前【ファミリーマートの移動コンビニ「ファミマ号」、9月30日から営業開始】でお伝えした、すでに9月から宮城県内で営業を開始している1号車と合わせて、今件で2台目となる(【発表リリース】)。



↑ 実際の「ファミマ号」のようす
↑ 実際の「ファミマ号」のようす

元々各大手コンビニでは一部において、採算確保が難しい地域でサービス提供を行う目的などで、トラック・バンなどを活用した移動型の店舗を保有していた。そして昨今の東日本大地震・震災による被災地域への対応をはじめとした「災害時における敏速なサービス提供」の手段と、過疎化が進む地域社会における「買い物弱者(困難者)対策」手段として、移動型店舗の重要性・需要が再確認されることとなった。

今回ファミリーマートが展開する「ファミマ号」は「被災者支援」と「買い物不便地域(の支援)」の双方を目的としたもの。販売設備として揃えた4温度帯は、それぞれ「常温(加工食品、菓子、日用品など)」「定温(おむすび、寿司、弁当)」「冷蔵(サラダ、スパゲティ、日配食品など)」「冷凍(アイス、冷凍食品など)」と、通常店舗のコンビニで販売している各種食品に対応している。これらがすべて備えられることにより、店舗型コンビニで販売している食品のほぼすべてを取り扱える。「ファミマ号」内の品揃えは、この4温度帯設備を活用する形で、おむすび、弁当、飲料、菓子、日用品などおよそ300種類に達しているとのこと。また地域の需要にあわせる形で、随時内容は変更していく。

「ファミマ号」では飲料用のホットウォーマー、専用の発電機を搭載しており、停電地域でも営業が可能。電子レンジ・電子ポット・手洗い場も用意。リフトアップ式の開閉扉を採用し、その扉を屋根として活用することもできるようになっている。

↑ 実際の稼動の様子(すでに実働している宮城県気仙沼市立小泉中学校駐車場にて)
↑ 実際の稼動の様子(すでに実働している宮城県気仙沼市立小泉中学校駐車場にて)

今回発表された「ファミマ号」2号車は山医療福祉グループ 医療法人社団 平成会「介護老人保健施設 グリーンケアハイツ」の駐車場(所在地:福島県大沼郡)で、10月24日から毎週月曜・10時半-12時までの間、営業を開始する(グリーンケアハイツ以外の人も利用可能)。現時点での営業時間は2時間程度で、福島県伊達郡川俣町の仮設住宅内に出店している直営店を基点として営業し、今後は順次営業地域を拡大する予定。

「ファミマ号」は直近で3台の稼働を予定しており、今後稼働台数を漸増させて「買物不便地域」のカバーを模索。来年度中には100台までの増加を目指すとの話もある。

過去において何かと重宝された移動パン屋さんや移動図書館のような、移動販売式の車両が再び重宝される状況は、いささか奇妙な雰囲気を覚える人もいるかもしれない。しかし「需給に合わせて固定概念にとらわれず、常に最善・最適化の手立てを講じる」という合理的な考え方をすれば、今回の「ファミマ号」もまた有意な手立てと考えて良いだろう。



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