ローソン子会社、高齢者向け宅配弁当事業者のルートを使った商品宅配事業の実証実験を大阪府で開始

2011/11/01 12:10


宅配弁当事業者のルートを使った商品宅配事業[ローソン(2651)]は2011年10月31日、同社子会社で「ローソンストア100」を運営する九九プラスと【はーと&はあとライフサポート(以下「HH社」)】が共同で、高齢者向けの宅配事業を同年11月1日から大阪府で開始すると発表した。HH社がすでに行っている、オリジナル弁当の宅配を通じた在宅栄養管理サービスに同乗する形で、「ローソンストア100」の商品の注文販売サービスを提供する(【発表リリース】)。



↑ 配達サービスのモデルイメージ
↑ 配達サービスのモデルイメージ

【セブンイレブンの食事宅配サービス「セブンミール」、宅配料無料・宅配サービス利用条件緩和へ】【セブン&アイなど、宮城県山元町での「買い物支援」の共同展開開始】などでも触れているように、要介護高齢者や日々の買物に困難を感じている高齢者は増加傾向にある(いわゆる「買物困難者(買物難民)」の一形態)。HH社はこのような要介護高齢者や自宅療養者に向け、オリジナルの弁当の宅配を通して在宅の栄養管理サービスを行っている。今回ローソンストア100が開始するサービスは、ローソンのプライベートブランド「バリューライン」や生鮮品などの商品を、HH社が弁当と一緒に宅配するもの。

具体的なサービスの流れとしては次の通り。HH社の宅配サービスを利用中の人に、九九社の運営する「ローソンストア100」で取り扱う「野菜などの生鮮品」や「プライベートブランド」など約200アイテムが掲載された「カタログ」を配布、お弁当の宅配時に注文を受け付ける(カタログ中の価格は基本的に店頭販売の価格と同一)。そして次回の商品宅配時もしくはお客側が希望した日時に、HH社が注文の商品を宅配エリア内の「ローソンストア100」店舗でピックアップし、お弁当と一緒にお客の自宅まで届けることになる。各種手数料はHH社がすでに提供しているお弁当などのサービスと同様。

今件サービスは11月1日に大阪府摂津市の「ローソンストア100」で実験を開始し、今後は大阪府・京都府内の「ローソンストア100」約50店舗-100店舗に対応領域を拡大していく予定。

ローソンストア100ポイントとしては、ローソンが独自に展開している生鮮品や日用品・加工食品などのプライベートブランドを扱うネットスーパーと違い、パソコンが苦手な高齢者でも気軽に利用できる点。すでにHH社の宅配サービスを利用しているのが前提になるが、利用中の宅配弁当を頼むのと同じ感覚で、「ローソンストア100」が提供する各種プライベートブランド(一般生活用品が多い)や生鮮食品を注文できる。そしてそれらがHH社によって直に届けられることで、わざわざ店に足を運ばなくても済むため、外出に難儀している人や近所に適切なお店がない人には非常にありがたいお話となる。

非常にシンプルに例えると、「HH社が自社顧客の御用聞きとなり、ローソンストア100に買物へ行き、希望の商品を調達。この時点でHH社からローソンストア100に代金が支払われる。その商品を自社弁当の顧客にお弁当と一緒に運ぶ」という形(当然、これらの商品もHH社における「顧客の栄養管理」の対象となるため、普段お弁当を購入しているHH社のお客には、選択肢の幅が大いに広がるという便益も得られる)。アナログだがハードルも低く確実なスタイルといえる。

商品を提供する「ローソンストア100」、注文の受け付けや「ローソンストア100」での商品ピックアップ、注文先への(自社商品である弁当と一緒に)配達する「はーと&はあとライフサポート」双方の作業工程(特にHH社)は確実に増えることになる。しかしそれは同時に「ローソンストア100」には売上の拡大につながり、そして両社にとっては顧客、そして地域社会へのサービス・社会貢献に結びつくことになる。

仕組みもシンプルであることから、今後地域密着型の在宅者向けサービスを行っている業態と、ローソンストア100が似たような提携を行う可能性もある。今件の進捗も合わせ、今後の動向に注目したいところだ。


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