【更新】トヨタ、「介護・医療支援向けパートナーロボット」4種を公開
2011/11/02 06:24


↑ トヨタが発表したロボットの取材映像。【直接リンクはこちら】
トヨタでは「すべての人が明るく楽しく生活できる社会の実現に貢献すること」を目指して企業活動に取り組んでおり、2007年には「パートナーロボット」開発ビジョンを発表し、人の活動をサポートすることによる新しいライフスタイルの提案として「パートナーロボット」の開発を進めている。
「トヨタ・パートナーロボット」が社会に役立つ分野・領域として、「介護・医療支援」「パーソナル移動支援」「製造・ものづくり支援」「家事支援」の4つの領域が想定されている。そして技術開発においては、工場での重い部品の搭載・移動を容易にアシストする装置のような「人と協調する技術」、自律して動く「自動技術」、「道具を使う技術」などを念頭に取り組んでいる。そして今回、「介護・医療支援」を目的として開発した4種類のロボットが公表された。
4種類のロボットの具体的特徴は次の通り。
■1:自立歩行アシスト

↑ 自立歩行アシスト
・下肢麻痺などで歩行が不自由な方の自立歩行支援を目的に開発
・麻痺した脚に装着することにより、自然な膝曲げ歩行をアシスト
■2:歩行練習アシスト

↑ 歩行練習アシスト
・「自立歩行アシスト」の技術を応用した歩行練習用の装置として開発
・歩行が不自由な方の練習初期段階からの自然な歩行の習得をアシスト
■3:バランス練習アシスト

↑ バランス練習アシスト
・バランス確保が不自由な方のバランス機能練習の支援を目的に開発
・倒立2輪技術とゲーム性を融合し、飽きることなく楽しく続けられる練習をアシスト
■4:移乗ケアアシスト

↑ 移乗ケアアシスト
・大きな力を必要とし体力的負担の大きい、移乗のための介護の負担軽減を目的に開発
・体重保持用のアームとアシスト台車を組み合わせて、ベッドからトイレまでの移乗介護をスルーでサポート

↑ 自立歩行アシスト
・下肢麻痺などで歩行が不自由な方の自立歩行支援を目的に開発
・麻痺した脚に装着することにより、自然な膝曲げ歩行をアシスト
■2:歩行練習アシスト

↑ 歩行練習アシスト
・「自立歩行アシスト」の技術を応用した歩行練習用の装置として開発
・歩行が不自由な方の練習初期段階からの自然な歩行の習得をアシスト
■3:バランス練習アシスト

↑ バランス練習アシスト
・バランス確保が不自由な方のバランス機能練習の支援を目的に開発
・倒立2輪技術とゲーム性を融合し、飽きることなく楽しく続けられる練習をアシスト
■4:移乗ケアアシスト

↑ 移乗ケアアシスト
・大きな力を必要とし体力的負担の大きい、移乗のための介護の負担軽減を目的に開発
・体重保持用のアームとアシスト台車を組み合わせて、ベッドからトイレまでの移乗介護をスルーでサポート
トヨタでは介護・医療の現場において、病気・ケガなどで体の不自由な人や高齢者の自立生活、および自立するためのトレーニングの支援、介護する側の体力的負担の軽減などの面でロボットへの需要が高いという現状を踏まえ、すべての人に移動の自由を提案するという観点から、トヨタ記念病院など医療や介護の専門機関と連携して重点的に取り組んできた。
今回発表されたロボットも、トヨタがこれまでの技術開発の中でつちかってきた高速・高精度なモーター制御技術、2足歩行ロボット開発で進めてきた安定性の高い歩行制御技術やセンサー技術(使用する人の姿勢や掴んだり挟んだりする力を感知)など、先進的な要素技術を取り入れている。
これらの「介護・医療支援向けパートナーロボット」の開発は、藤田保健衛生大学(愛知県豊明市)と共同で進めており、専門医療機関でのニーズをパートナーロボットの設計にフィードバックしている。そして今後も、幅広い介護・医療機関の協力のもとで実証実験などを通じて、現場の意見やアドバイスを受けながら、2013年以降の実用化を目指して開発を加速させていく。
なお前述したように「介護・医療支援」以外の領域においても、「パーソナル移動支援」は商業施設での実証実験、「製造・ものづくり支援」は自動車製造工程での実用稼動を行っており、「家事支援」についても研究開発を進めているとのこと(今回これらの分野での新しい発表は無かった)。
介護方面の支援ロボットというと【工場や介護、医療場面での活躍が期待できる「体重支持型歩行アシスト」、ホンダが試作機発表】などが思い起こされる。またロボットではないが同様のコンセプトとして【身体の負担を軽減する筋力補助装置「スマートスーツ・ライト」が震災復旧作業で効力発揮】が記憶に新しい。今回発表されたトヨタの各種支援ロボットも、世間一般にいうところの「人型ロボット」とは異なる、人の動きを補助するパーツ的なものだが、その有用性は大いに期待できる。
今後間違いなく需要が増加する今分野において、これらの「ロボット」がどこまで活躍することになるのか。その開発状況も合わせ、注意深く見守りたいところだ。
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