【更新】「あらたにす」2012年春に終了
2011/11/11 06:38


↑ 記事執筆時点での「あらたにす」
「あらたにす」は日経・朝日・読売三社による共同事業展開の一環として行われた、インターネットニュース集約サイト。多種多様のニュース、さらには社説や解説、評論記事など各新聞社の意向や思想、思惑などが色濃く反映される記事についても、それぞれ並列掲載することで、「より分かりやすく、より詳しく、より興味深く伝えていく'新聞ナビゲーションサイト'」を目指していた。つまり同じテーマ・事件に対し、三社がどのようなタイトルやリード、そして内容で読者に説明をしているのかが一目で分かるサイトを、新聞社自らが提供したことになる。
その後、日経新聞の電子版開始によるサイト構成の一部変更、iPad用の無料アプリ提供開始、デザインの大幅変更の実施、Facebook版として(学生向けを主軸に据えた)【あらたにすFacebook(あらたにす 学生は言いたい!)】をスタートさせるなど、さまざまな切り口を見せたものの、今回事業体の解散に伴い、その命運は尽きることになる。

↑ Facebook版「あらたにす」
リリースでは「あらたにす」自身のこれまでの運営動向・状況はほとんど記載されていない。しかし事業体の移管に伴いFacebook版が単に引き継がれるだけでなく、むしろ「学生編集長を公募し、3社の紙面と連携しつつ、キャンパスライフや就職活動にも活用できるよう企画・運営に厚みをもたせていく予定」などの説明にもある通り、これまで以上に注力されることと合わせて見るに、(ウェブサイト版は)「あまり好ましい状況」では無かったことが推測される。
Facebook版は月間1500万インプレッションを記録、リリースによれば「3新聞社協力の象徴的なサイトとして、大きな支持を受けている」「日本語のFacebookサイトの上位4%に入っている人気ページ」とのこと。今年6月のスタートでそれだけの数字をはじき出せば、関係各社が(サイト版以上に)大いに注目するのも理解はできよう。もっともコンテンツの一部はサイト版「あらたにす」への誘導リンクでしかなく、ベースとなる「あらたにす」が無くなったあと、どのような構成をFacebook版で成していくのかが気になるところ。
ともあれ、サイト版「あらたにす」は2008年1月末のオープン以来、4年あまりの歳月を経て、その姿を消すことになる。媒体として後を引き継ぐのがFacebook版という現状も、昨今のメディア動向を象徴する結果といえよう。
スポンサードリンク