ファミリーマートの移動販売車「ファミマ号」3号車、岩手で稼働開始
2012/01/27 06:35


↑ 実際の「ファミマ号」のようす
元々各大手コンビニでは一部において【ローソン、移動販売車で岩手県へ・移動販売開始】にもあるように、採算確保が難しい地域でサービス提供を行う目的などで、トラック・バンなどを活用した移動型の店舗を保有していた。そして昨今の東日本大地震・震災による被災地域への対応をはじめとした「災害時における敏速なサービス提供」の手段、そして過疎化が進む地域社会における「買い物弱者(困難者)対策」手段として、移動型店舗の重要性・需要が再確認されることとなった。
ファミリーマートが展開する「ファミマ号」は「被災者支援」と「買い物不便地域(の支援)」の双方を目的としたもの。販売設備として揃えた5温度帯は、それぞれ「常温(加工食品、菓子、日用品など)」「定温(おむすび、寿司、弁当)」「冷蔵(サラダ、スパゲティ、日配食品など)」「冷凍(アイス、冷凍食品など)」「ホット飲料(温かいお茶、コーヒーなど)」と、通常店舗のコンビニで販売している各種食品に対応している。これらがすべて備えられることにより、店舗型コンビニで販売している食品のほぼすべてを取り扱える。「ファミマ号」内の品揃えは、この5温度帯設備を活用する形で、おむすび、弁当、パンなどの中食商品、カップ麺、調味料などの加工食品、洗剤、乾電池などの日用雑貨などおよそ300種類に達しているとのこと。また地域の需要にあわせる形で、随時内容は変更していく。
「ファミマ号」では専用の発電機を搭載しており、停電地域でも営業が可能。電子レンジ・電子ポット・手洗い場も用意。リフトアップ式の開閉扉を採用し、その扉を屋根として活用することもできるようになっている。

↑ 実際の稼動の様子(すでに実働している第1号車・宮城県気仙沼市立小泉中学校駐車場にて)(再録)
今回発表された「ファミマ号」3号車は岩手県陸前高田市広田町第2仮設団地(旧岩手県立広田水産高等学校グラウンド)で、1月30日から毎週月曜の営業を開始する(時間、スケジュールなどは変更となる場合あり)。現時点での営業時間は2時間程度。
「ファミマ号」は今回の3号車で直近の稼働目標を達成。来年度中には100台までの増加を目指すとの話もあり、今後さらなる台数の展開が予想される。
過去において何かと重宝された移動パン屋さんや移動図書館のような、移動販売式の車両が再び重宝される状況は、いささか奇妙な、あるいは懐かしい雰囲気を覚える人もいるかもしれない。しかし「需給に合わせて固定概念にとらわれず、常に最善・最適化の手立てを講じる」との合理的な考え方をすれば、今回の「ファミマ号」もまた有意な手立てと考えられる。実際に地域に多大な便益を提供すると共に、「買い物弱者(困難者)対策」と採算性の問題を検証する、貴重な経験が得られる点で、有意義な試みと評せよう。
スポンサードリンク