グリー、「探検ドリランド」の不正行為を受けSNS「GREE」上の禁止行為への監視強化を発表
2012/02/25 06:55
【グリー(3632)】は2012年2月24日、同社が運営しているSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の【GREE】内のゲーム「探検ドリランド」での不具合を起因とするトラブルを受け、GREE内でのソーシャルゲームの禁止行為の監視強化と、ユーザーを被害から守るための施策を同年3月から導入すると発表した。SNS、ソーシャルゲーム業界全体としてユーザーのプレイ環境の健全性促進を目指すため、業界各社・団体と歩調を合わせるとも言及している(【発表リリース】)。
↑ 探検ドリランド
今件はグリーが提供するソーシャルゲームの一つ【「探検ドリランド」】において、ゲーム内に登場するアイテムカードを不正にコピー増殖できる不具合が発見されたことに端を発するもの。この手法を用いて登場頻度が低く希少価値が高い「レアカード」が複製され、それらのカードがオークションサイトに出品される事態となった。
この状況を受けてグリー側では一時「探検ドリランド」内のカード交換機能を停止(2月21日に再開)。重複(=不正複製)カードの回収と共に、「ゲームの公平性を保つため、禁止行為が確認されたユーザーに対しましては、サービス内にて告知した上でアカウント停止を含めた対応をさせていただく可能性があります」との声明を発表している(【当社運営サービス一部機能の一時停止に関するお知らせ(2012年2月20日)】)。
グリー側の説明によれば、これまでも24時間・365日体制でサイトチェックを行い、違法行為を含む悪質な利用規約違反および禁止行為について確認と対処をしてきた。しかしそれにも関わらず今回の事態が発生したことを重く受け止め、さらに複数の施策を実行すると発表している。
●1.「GREE」の各ゲーム内での禁止行為の検知機能を強化
独自の検知システムを活用することで「GREE」の各ゲーム内での不正検知・トラッキング機能を強化し、アイテムの取得、交換などにおける禁止行為を特定、そのユーザーに対する警告、行為の排除を迅速に実施。
●2.ゲームの安全な利用を脅かす行為への、業界各社・団体と連携した対処
業界各社・団体と連携して詳細な調査を行い、禁止行為を「GREE」外から助長する事業者や個人へ厳格に対処。
●3.被害申告受付の専用窓口を設置
「GREE」において専用窓口を設置し、悪質行為や被害申告の受付を開始。
●4.ユーザーへの啓発、注意喚起に関するページを開設
「GREE」において、利用規約違反および禁止行為の根絶を目的とする特設ページを開設し、ユーザーへ啓発、注意喚起を図り、トラブルや危険性を回避するための情報提供を行う。
独自の検知システムを活用することで「GREE」の各ゲーム内での不正検知・トラッキング機能を強化し、アイテムの取得、交換などにおける禁止行為を特定、そのユーザーに対する警告、行為の排除を迅速に実施。
●2.ゲームの安全な利用を脅かす行為への、業界各社・団体と連携した対処
業界各社・団体と連携して詳細な調査を行い、禁止行為を「GREE」外から助長する事業者や個人へ厳格に対処。
●3.被害申告受付の専用窓口を設置
「GREE」において専用窓口を設置し、悪質行為や被害申告の受付を開始。
●4.ユーザーへの啓発、注意喚起に関するページを開設
「GREE」において、利用規約違反および禁止行為の根絶を目的とする特設ページを開設し、ユーザーへ啓発、注意喚起を図り、トラブルや危険性を回避するための情報提供を行う。
なお今件の追加施策については、ソーシャルアプリケーションを提供しているデベロッパー(GREEパートナー)各社からも、順次賛同の意思表明がなされている(具体的企業名はリリース参照)。グリー側は今後も今件のような禁止行為の根絶に向けてより多くの業界各社、団体とさらなる連携を強化していくとコメントしている。
今回の「探検ドリランド」上での「レアカード増殖問題」は、2月20日付のリリースの言及を読む限りでは「通常の想定数を超えたゲーム内アイテム(カード)の取得並びに交換(トレード)行為が確認されました」とあり、イレギュラー的な動きが確認された上で、確認・対処が行われたことがうかがえる。一方、YouTubeや(特にゲーム関連の)各種掲示板などのインターネット上のコミュニティでは、それより以前から今件不具合に関する話題が寄せられており、オークションサイトでもそれを裏付ける動きがあった(もっとも、ネットオークションでのカードのやり取りは売り手・買い手共に、通常カードでも利用規約違反となる。【GREE利用規約】の「8.禁止行為について」には「5.その他」項目に「i.サービスの一部の利用権をグリーが定めた方法以外の方法で譲渡する行為」「j.サービスの一部の利用権をもって、現金その他の財物、財産上の利益との交換取引をすること、または交換取引をすることの宣伝・告知・勧誘する行為」などが明記されている)。
今件施策のうち、「1.」はともかく「3.」「4.」はむしろ「なぜ今まで無かったのか」という疑問もあり、「探検ドリランド」での「状況」確認までの遅れも合わせ、管理運営上の問題が問われかねない。一方「2.」は他社も同様の対応を行う場面も想定され得ることから、グリーがどのような手を打つかについて、「仕組み」の構築も合わせ要注目の内容といえる。
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