新潟県沖海底に油田の可能性、来春試掘開始
2012/06/19 06:45


↑ 試掘予定地

↑ 三次元物理調査船「資源」
三次元物理調査船「資源」は日本国周辺海域に存在する、石油・天然ガス資源の精細なデータを効率的・機動的に収集することを目的に、資源エネルギー庁所有が公船として2008年に導入したもの。ノルウェーのPGS社が保有するRamform Victoryを購入、改造後に引き渡されている。エアガンと呼ばれる音源から音波を発し、海底面や地層の境界に当たって返ってきた反射波を捉え解析することで、三次元的に地下構造を把握する能力を持つ。総トン数は1万0395トン、長さ86.2メートル、幅39.6メートル、曳航ケーブル本数は最大12本、ケーブル長は最長6000メートル(参照:【三次元物理探査船『資源』の概要(パワーポイント)】、関連:【三菱重工が受注した資源探査船がとてもステキな形】)。
今回試掘が行われるのは、この「資源」の探査の結果によるもの。新潟県佐渡南西沖約30キロメートル、水深約1100メートル、掘削深度海底面下約2700メートルの場所になる。すでにこの付近の海域では2003年-2004年にも試掘が行われている。リリースによれば「探査の結果、有望と判断された当該海域において試掘を実施するものであり」と説明されている。事業実施者のJX日光日石開発の【プロジェクト概要ページ】でも「鉱区は既存新潟油田地域の西方に位置しますが、2004年に鉱区内で実施された国の調査で油層が確認されています。これまでの調査によって、大規模な有望構造が確認されており、今後も検討を進めていきます」とあり、今回試掘が行われる領域での石油や天然ガスの「商用利用可能レベルでの」埋蔵が期待されている。
試掘そのものは来年春、3か月ほどで終わる予定だが、分析などを含めると商用可能判断にはもう少し時間がかかるはず。続報に期待したいところだ。
■関連記事:
【国産原油供給量をグラフ化してみる(エネルギー白書2011版)】
スポンサードリンク