【更新】JR東日本、山手線内で実証実験サービス「トレインネット」再び実施

2012/08/30 06:45


トレインネット【JR東日本(9020)】は2012年8月29日、昨年山手線内で行ったスマートフォン利用者向け実証実験サービス「トレインネット」(【山手線内に無線LANでスマートフォン向け情報配信・「山手線トレインネット」10月に試験運用】)について、より実用化を意識した再検証・再実験を行うと発表した。エンタメ系や広告系など、マーケティング関連情報の提供を充実させる。同年9月3日から来年1月中旬までの予定で行われる。利用料は無料。iPhone、Androidスマートフォン対応(【発表リリース】)。



↑ 接続イメージ
↑ 接続イメージ

↑ サービス利用方法
↑ サービス利用方法

↑ 提供情報例
↑ 提供情報例

JR東日本ではすでに車内に設置したLED(発光ダイオード)や液晶ディスプレイを用いた、列車に乗車中のお客全体に向けた情報提供サービスを、多くの路線で導入している。本研究開発ではスマートフォン向けのサービスとして、列車に乗車中のお客に、現在位置に応じたリアルタイムな情報提供について検証を進めていく。現在開発中のシステムにより、お客からの要望の多い個々の需要に合わせた多様できめ細かい情報を提供していくと共に、降車後のスムーズな行動を補助するサービスの提供を目指すことになる。

今件実証実験では同社フロンティアサービス研究所において設計・試作した、「車両内でのパーソナルな情報提供システム"infoPiC"(車内のお客の携帯端末へきめ細かい情報提供を行うために開発したシステムの名称。WiMAXルータと無線LANアクセスポイントなどで構成され、お客のスマートフォンへ乗車の車両に合わせた情報を配信する)」を山手線2編成に搭載する。

具体的には2012年9月3日(予定)から2013年1月中旬までの約4か月半の間、「山手線トレインネット」と称した本システムによる情報提供サービスを試行。試行期間中、システムが搭載された列車に乗車している人は、手持ちのスマートフォンでサービスを利用できる。利用者へのアンケートや利用状況調査、システムの動作検証などを通じ、提供するサービスの内容とシステム構成を評価し、今後の実用化を目指していくことになる。

利用できるサービス・コンテンツは次の通り。

■鉄道関連情報
・運行状況 : 首都圏各路線の遅延や運転見合せ情報
・駅・乗換案内 : 停車駅一覧と各駅までの所要時間、各駅のホーム設備や乗換路線の案内
・車内状況 : 各号車の乗車率・車内温度

■マーケティング関連情報(昨年実験分からの改良・追加)
・沿線ニュース
・コミックや小説
・エキナカ店舗のキャンペーン情報やクーポン
・車内ポスターと連動した広告
・JR東日本のイベント情報

昨年の実証実験からの変更として、画面デザインの改良と提供コンテンツの充実(主に宣伝周り)、そして「トレインネット利用中にもインターネット接続が可能」な点などが挙げられる。なお専用アプリをダウンロードしなくても今件サービスは利用できるが、アプリを使うと専用の機能(「降りる駅に近づくと振動でお知らせ」など)が提供される。

トレインネットは2012年9月3日以降は山手線1編成、11月上旬以降は2編成で展開試行され、2013年1月中旬まで運用される見通し。また最新情報、運用スケジュールなどは公式サイト【山手線トレインネット】で公開される。

現時点では更なる実証実験、正式導入の予定は未定だが、公式サイトでは「具体的には決まっていませんが、今回の試験結果によって判断をしたい」との言及がある。コストパフォーマンスや利用客への提供便益などの検証の上、最終判断が下されるのだろう。実験に参加できる機会は限られるが、実利用した人は思う存分堪能してほしいものだ。


■関連記事:
【山手線内に無線LANでスマートフォン向け情報配信・「山手線トレインネット」10月に試験運用】(2011年)



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