番組やCMで音量が変わる問題、10月から同一基準で
2012/09/04 06:45
民放連(日本民間放送連盟)は2012年9月3日、日本全国の民放テレビ各局に対し、音に関する新しい基準「ラウドネス」の運用を同年10月1日から開始すると発表した。この運用により、放送局間だけでなく同一放送局内番組・CM間、さらには同一番組内でも、放送されている内容・場面によって音量にばらつきが多分に生じていた問題が解消されることになる(【発表リリース】)。
↑ 昨年の今件基準化決定時における、ラウドネスを計測する機器販売メーカーによる解説。【直接リンクはこちら】
「ラウドネス」は、人が感じる音の大きさを数値で表す新しい基準で、今回の決定はITU-R(国際電気通信連合・無線通信部門)で国際標準化されている。これを受けてARIB(電波産業会)が運用規定を作成。それを元に民放連もまた運用基準を策定している。今回運用が開始される基準においては、番組内での目標LKFS(ラウドネスの単位)と運用上の許容範囲を定め、その範囲内での音量を維持することが求められる。
今回の運用開始で、特定のシーンやコマーシャル時においてのみ音量が大きくなり難儀を覚えたり、放送局によって音量の基準が異なりチャンネルを変える毎に音量調整もしなければならなかった手間がかからなくなる(放送側では多分に「演出」を意識してのものだが、視聴者からは「迷惑」と受け止める事例が多い)。民放連もリリースで「番組間やチャンネル間の音量感の差がこれまでより解消され、視聴者の皆さまに、さらに快適にテレビをお楽しみいただけるものと考えております」と言及している。
なお今件リリースでは伝えられていないが、番組での導入は10月1日からとなるものの、CMでは来年2013年3月末まで半年間の実施調整期間が設けられているとのこと(【民放連 ラウドネス運用規準 全TV番組・CMの音量感を統一 12年10月1日-13年3月31日までの6カ月間をCM搬入における調整期間に(Inter BEE)】。この記事によれば基準の通達はNHKにも行われており、タイミングはともかく基準そのものはNHKにも導入されそうだ)。番組内はともかく、CM中ではなおしばらくの間、音量の調整が必要となる機会が生じそうである。
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