海自の新型固定翼哨戒機P-1量産初号機、初飛行に成功
2012/09/28 06:35


↑ P-1固定翼哨戒機・量産初号機。【直接リンクはこちら】
今回初号機が初飛行に成功したP-1は、現在海自が運用しているP-3C固定翼哨戒機の後継機にあたる機体。新規開発された純国産機で、国産エンジンを搭載し、全長は38メートル、全幅は35メートル。耐電磁干渉性に優れた実用機世界初のFBL(Fly By Light……飛行制御のためにセンサーなどを光で配線結合したもの)システム、探知能力を向上した新規開発の音響システムおよびレーダー・システムを採用。現有機を上回る速度、航続距離などが特徴。現在、次期輸送機XC-2と共に2機種同時開発を進めている。その際にメンテナンスの容易化や開発・生産コストの削減を目指し両機種間の共有を図り、機体構造や搭載システムの一部で実現している。
現行のP-3Cは老朽化から2008年以降除籍が始まっており、2011年度には固定翼哨戒機の所要機数を割り込む見込みであったことから、今件P-1の配属作業が進められている。現在合計8機が調達済みで、逐次納入が予定されている。
防衛省のP-1に関する【行政事業レビューシート(PDF)】によればP-1の利用目的は「新たな脅威や多様な事態、国際平和協力活動に対し、より実効的に対応するため、我が国周辺海域の警戒監視や不審船等の小型水上船舶の探知識別などの任務を行う固定翼哨戒機を所要機数整備する」とある。固定翼哨戒機としてはまだP-3Cが主流(【平成24年度防衛白書】の資料13「主要航空機の保有数・性能諸元」によれば78機)ではあるが、日本の地理的特性や今後考えられる情勢を考えれば、もう少しまとまった数が欲しいところではある。
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